山本ケイイチ「仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか」

ビジネス書の名言・格言  『仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか』より


鍛えられた肉体は、
もはやビジネススキルのひとつなのである。


ビジネスパーソンがこれからの時代を生き残るのに有能なスキルは、
「英語」「IT」「金融知識」とよく言われる。
私はここに「筋肉」を加えたい。

筋肉を鍛えることは、
いまや単なる趣味やレクリエーションではなく、
「将来的に大きなリターンを生む自己投資」である。

成功する人たちは、自分がなぜトレーニングをするのかという目的がとにかく明確で、
どこに向かって進めばいいかを理解している。
だから辛い筋トレにも耐えることができ、気持ちがぶれない。

自分の体の変化とじっくり向き合う、トレーニングという行為は、
精神力を鍛える貴重なチャンスなのだ。

「自らの意思で、自らに辛いことを課す」
これは精神にも肉体にも共通する、普遍の成長原理なのである。




 【仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか (幻冬舎新書)】より
 

仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか (幻冬舎新書)  

山本ケイイチ
仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか

■補足
「仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか」
興味深いタイトルに惹かれて、一読してみました。

「仕事ができる人は筋トレをしている」
という前提に基づいた刺激的なタイトルです。

「ビジネスで成功している人でもブヨブヨな人は数多くいるじゃないか。」
という声が聞こえてきそうですが、

・筋トレをしているビジネスマン
・筋トレをしていないビジネスマン

ビジネスマンに二種類あるとすると、たしかに筋トレをしている人の方が成功している雰囲気が漂いそうです。

さまざまなビジネスパーソンのトレーニングをサポートしてきた著者によると、
「仕事ができる人は、トレーニングをやっても優秀である」
という結論を得たそうです。

「体が資本」とはよく使われる言い回しですが、本書ではさらに踏み込んで
「筋肉はビジネススキル」と言い切っています。

トレーニングによって何を得るかという明確な目的を持ち、合理的な行動を行う「目的志向性」。辛い筋トレに耐え、結論が出るまで待てる「忍耐力」「継続力」。さらには「習慣化」する力。

トレーニングに必要な能力は、確かにそのままビジネスに生かせる力であると言えます。

細かな筋トレのノウハウを書いた本ではなく、
トレーニングの原理原則に焦点を当てた珍しい一書。

「仕事で疲れて家に帰ったら休むだけ。」
そんなあなたがトレーニングによって鍛えられた筋肉と精神という「成果」を得たならば、
ビジネスにおいてもさらなる「成果」を得ることが出来るかもしれません。



■忍耐に関する名言

最後に参考になる名言を紹介します。

忍耐を身につけよう。忍耐は、準備でもある。
つまり、行動を始める前の行動なのである。
byノア・ベン・シー

ありがたいことに、心は筋肉によく似ている。
使うことによって鍛えられ、強くなるのだ。
byブライアン トレーシー

千日の稽古をもって鍛となし、
万日の稽古をもって錬となす。
by宮本武蔵

自分で刻苦一歩ずつ登りつめていかなければ、
輝く星を手に入れることはできない。
一段一段登っていく足下の先に、きっと夢はあると信じて。
byジャック・ニクラウス




■関連書籍
 
たった1分で人生が変わる 筋トレの習慣  老けない筋トレ  読む筋トレ (扶桑社新書)

アレグザンダー・J・ベラルディ 『「いい人」だけがビジネスで成功する』より

ビジネス書の名言・格言  『「いい人」だけがビジネスで成功する』より


あわてないようにしよう。
受け取るのではなく、
与えることに気持ちを集中させたとたん、
すてきな出来事が起こるかもしれないのだから。


相手の真のニーズを憶測によってではなく、
時間とエネルギーを費やして知ろうとしなければ、
人のニーズを満足させることはできない。

あなたの成功は、あなたが奉仕しようと思っている相手について、
あなたがどれだけ理解しているか、ということに正比例する。

人のニーズを見極め、
満足させることに努力と関心を注ぎ続けるかぎり、
私たちは成功と個人的な達成感に向かって、
正しい道を歩み続けるだろう。

人は自分のことしか考えられなくなると、
人生の魔法が効かなくなる。
しかし、私たちだけが知っている方法で人の役に立ちたいと思ったら、
私たちは自分自身を含めたすべての人の人生を豊かにできる。




 【「いい人」だけがビジネスで成功する―
得るためにはまず与える サーバント・リーダーシップという考え方
】より
 

「いい人」だけがビジネスで成功する―得るためにはまず与える サーバント・リーダーシップという考え方 

アレグザンダー・J・ベラルディ、廣岡結子訳
「いい人」だけがビジネスで成功する―
得るためにはまず与える サーバント・リーダーシップという考え方

■補足
ちなみに、タイトルで使用されている「いい人」。この「いい人」という言葉にはプラスのイメージもありますが、マイナスイメージを抱く人も多いのではないでしょうか。
単に気が弱く優しいだけの人
といったように。

もし、あなたが「気弱ないい人」であって、マイナスイメージをもっているのであれば、下記の言葉が参考になるかもしれません。

しかし優しい人には二種類ある。性格が穏やかで言葉づかいも静かな人。それも良い人だが、それだけでは物足りない。心に思いやりがあり、常に相手のことを気づかって行動する人、それこそ本当の優しい人だと思う。
by小倉昌男
『やればわかるやればできる―クロネコ宅急便が成功したわけ』より

本書での「いい人」は前者の「優しい人」という意味ではなく、後者の「優しい人」であり、例えばマザー・テレサのような宗教的リーダーに見られるような

「信念に生きるがゆえに、人々への愛情に生きる人」

といったような「強い優しさ」を持つ人々のことを意味しています。

つまりは、

『「いい人」だから成功できないのではなくて、「いい人」だからこそ成功できる。なぜなら、「いい人」が心からの思いやりがあるがゆえに、人々の真のニーズを満たすことができるから。』

本書の大意はこのようになるでしょうか。

単に「気弱ないい人」から「信念のあるいい人」へ。

ちょっと頼りの無い「いい人」から脱却したい人に、オススメの一冊です。






■関連書籍
 
いい人すぎて”結果が出せない人”のための問題解決術  だれにでも「いい顔」をしてしまう人 嫌われたくない症候群 (PHP新書)  「いい人」には「いいこと」が起こる!―なぜ、ハイタッチな人は成功するのか?

フィリップ・コトラー「マーケティング10の大罪」より

ビジネス書の名言・格言  『「マーケティング10の大罪」』より


マーケティングは販売に注力するのではなく、
むしろ販売が不要なほど魅力的な製品の開発に注力すべきだ


差別化は二つの問題をはらんでいる。一つは、
多くの差別化が顧客の目にはどうでもいいことのように映っていること―
つまり、まがいものや魅力に欠けるものと受け止められていることである。

もう一つの問題は第一の問題以上に深刻なものだ。
それは、たとえ効果的な差別化を図れたとしても、
競合他社に簡単に模倣されてしまうという問題である。

ほかに差別化要因がなくても、
卓越したサービスそのものを強力な差別化要因とすることは可能である。




マーケティング10の大罪】より
 

マーケティング10の大罪 
マーケティング10の大罪
フィリップ・コトラー

■補足

マーケティングの神様、フィリップ・コトラーから一冊。

その意味するところは異なるかも知れませんが、

「販売活動を不要にすることこそ、マーケティングの理想である。」

とはドラッカーの言葉。上に引用したコトラーの言葉に近い内容ですね。
一読すると分かり難い、ちょっと分かり難い剣の極意のようにも見えます。
マーケティングの極意といったところでしょうか。

もう一つ似た言葉を引用すると、

「広告から離れることによって、より広告となる。」

こちらは広告批評の天野祐吉氏の言葉。
広告の極意ですね。

さらには、

「構えあって構えなし。」

剣の達人、宮本武蔵の構えの極意。
これらの言葉は理解し難くいですが、凡人には分かり辛い境地であって、自分とは無関係と決め付けてしまっては、得るものが無くなり、ちょっと残念です。

たしかに極意を体得することは難しいでしょうが、これらの言葉が「手段の目的化」を否定し、合理性を求めているのだと解釈すると、参考になる言葉であると思います。

手段はあくまでも手段。
剣術の目的は戦いに勝つことであって、構えに凝ることではない。マーケティングの目的は売れる仕組みを作ることであって、単に販売活動に熱心になれ、ということことではない。

定石の手段ばかりを使っていると、目的を果たすための行動を選択するという合理性を失いがち。

考え直すと、販売活動にいかに無駄が多いか、勘違いな発想をしているか、「マーケティング10の大罪」では、コトラーからの多数の指摘があります。

マーケティングに関する警句が凝縮した読みやすい一冊です。






■関連書籍
 
コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則 コトラーのマーケティング入門 ドラッカーが教える 実践マーケティング戦略

『本物のリーダーとは何か』より

ビジネス書の名言・格言  『「本物のリーダーとは何か」』より


リーダーシップとは力を行使することではなくて、力を与えることだ。
リーダーは魅力的な目標を掲げ、
そこに組織のエネルギーを集中させることで意図を実現する。

偉大な指揮者と同じように、
偉大なリーダーは組織から最善のものを引き出す。

真のリーダーは、誰もが希望の運び手だ

リーダーシップの重要な役割は、「どうやるか」の前に、
まず、「なぜ、それをするのか」を考えるところにある。

リーダーはビジョンによって、
組織の現在と未来をつなぐ重要な橋をかけるのだ。

リーダーの不在や無能さが暗示しているのは、
ビジョンの不在、夢の無い社会だ。
それがもたらすものは、よくて現状維持であり、
悪ければ目的と一体感を失って崩壊する社会である。
我々は新しいリーダシップの探求を、国家の最優先課題にしなけれなならない。




本物のリーダーとは何か】より
 

本物のリーダーとは何か  

 本物のリーダーとは何か
ウォレン・ベニス、バート・ナナス

■補足

「最近、部下がついてこない」
「後輩がついてこない」

そんな時、この「本物のリーダーとは何か」を読むとよいかも知れません。

できるならば、人を力によって従わせるリーダーではなく、仲間の潜在能力を引き出し、組織の力を最大限に発揮させるリーダーになりたいものです。

本書は90人の優れたリーダー達を研究し、リーダーシップの真髄を探る一冊。

内容としては、リーダーになるための自己啓発本というより、リーダーの特性を明らかにしていくビジネス書ですが、組織にとってリーダーの存在がいかに重要であるか、リーダーの特性、リーダーの果たすべき職務を体系的に理解できる良書です。

あらゆるマネジャー必読の一冊。





■関連書籍
 
サーバントリーダーシップ  7つの習慣 原則中心のリーダーシップ  ジョブズ・ウェイ 世界を変えるリーダーシップ

『「できる人」で終わる人「伸ばす人」に変わる人』より

ビジネス書の名言・格言  『「できる人」で終わる人「伸ばす人」に変わる人』より


時として「できる人」は、周囲を魅了する力で人を鼓舞します。
しかし本当の「伸ばす人」は、
相手の中に眠る黄金が輝くときを信じて待っています。

 
「できる人」は答えにこだわり、
「伸ばす人」は答えを出すプロセスにこだわります。

「伸ばす人」は「できる」と「できない」の中間を大事にしているのです。

「伸ばす人」は不確実な世界の中にある限りない可能性を、
相手と一緒に探求するパートナーなのです。

あらゆるかかわりを通じて
「自分に内在する可能性に自分で触れる機会」を創り出してくれる人。
それが「伸ばす人」だと思います。



「できる人」で終わる人、「伸ばす人」に変わる人 】より
 

「できる人」で終わる人、「伸ばす人」に変わる人 

 「できる人」で終わる人、「伸ばす人」に変わる人
吉田典生

■補足

あなたには「育てたい人」がいるでしょうか?

「ピーターの法則」という有名な法則では、

「人は無能化するところまで昇進する」

と言われています。

仕事で結果を出せた人だからといって、その人に部下を付けたときに、更なる成果を上げるかどうかは、また別の話です。

配置が変わったときに、今までとは違う能力が必要になるということに気がつく人は、組織の中で無能化せず、伸びていく可能性があると言えます。

本書は、所謂コーチングの本ですが、「できる人」で終わり、人を育てられない人と、「伸ばす人」となり、組織力で成果を上げる人の違いがどこにあるのか、読み進めるに従って、明確に浮き彫りになっていきます。

人生の節目において、どこかで必ず必要になる「人を育てる」という能力。

環境が変わった時、この能力を磨かなければ、どこかで限界を作ってしまうかもしれません。

若き管理職必見の一冊です。


■関連の言葉
その他、後輩や部下育成に参考になる言葉を紹介します。

部下に将来を創造させるためには、まず上司のほうが部下の気持ちを想像しなければいけないのである。
by小倉 昌男『「なんでだろう」から仕事は始まる!より

年齢による順序、つまり長幼の序によって成員の順位がきまりますが、不思議なことにこうなると、順序が上の人が話すようになりがちです。ですから、上司(年齢の上のもの)は話すばかりで、聞くのが下手になります。
by東山 紘久 『プロカウンセラーの聞く技術より

人に自身を付けさせることが、リーダーの大事な仕事だ。できるとはとうてい思えないようなことを成し遂げる機会や、やりがいのある仕事を与え、成功するたびに、どんな形であれその功績を讃えることによって自信は生まれてくる。
byジャック・ウェルチ 『ジャック・ウェルチ わが経営(上) より

部下によい仕事をさせて成長してもらおうと思うなら、人を責めるのではなく、仕事を責めることです。そして、普段から信頼関係を高めるように努力することです。
by大久保寛司 『自分が変われば組織も変わる―コミュニケーション上手になる』より

部下の任務遂行の邪魔になっているものを取り除くことが重要なのだ。いってみれば、リーダーとは部下への「奉仕者」なのである。ほんとうのリーダーといえる人物は、部下の潜在能力を最大限に開花させることのできる人物でなければならない。
byジェームズ・オトゥール
マックス・ドゥプリー著 『リーダーシップは君子のように』より

リーダーは組織に対して責任を負わなくてはならないし、組織の明日の繁栄のために、自分のことばかりでなく後継者についても考慮しておく必要がある。そのためにリーダーはまず、企業の所有者ではなく、奉仕者とならなくてはならない。
byマックス・ドゥプリー『リーダーシップは君子のように』より

リーダーには信頼にもとづいた人間関係をつくり出す仕事も残されている。企業や組織の根本となる基礎は人間集団であるからだ。
byマックス・ドゥプリー『リーダーシップは君子のように』より

人材は何か権限を与えることで育つように思われがちですが、むしろ、特別な権限なしで、一体感からくるパワーを発揮できるかどうか。その方が人材は育つのです。
by野中郁次郎 『セブン‐イレブンの「16歳からの経営学」
―鈴木敏文が教える「ほんとう」の仕事』
より 

無花果の木を見て育った無花果は、よく実を結ぶ
byアラビアの諺
『向上心―すじ金入りの自分論』より
 
人は人によって心を動かされる。そして、それは人が相手の情熱を感じとったときなのである。その情熱は、目的をもったときに生まれる。目的を絶対に成し遂げようと思い、行動しているときに、本物の情熱が育つのである。
by高嶌 幸広 『説得上手になる本―相手の心をしっかりつかむ』より

上司の仕事は、部下に自信を取り戻させることだ。落ち込んでいる人を、“鞭打つ”ことだけは絶対にしてはならない。
byジャック・ウェルチ 『ジャック・ウェルチ わが経営(上)』より

その長所のみを採り上げ、その長所のみを利用すれば、どこにも間に合わぬ部下というものは一人もいない。
by本多清六 『私の財産告白』より

あなた自身が上司と良好な関係を築くことができて、初めて自分の部下に、リーダーシップを発揮できるのです。
by大久保幸夫 『上司に「仕事させる」技術―そうか!ボス・マネジメント!』より

人も物事も、自分の思う通りにはいかないかもしれない。しかし、その奥の奥に見えるきらりと光るようなもの、そういったものを見抜く力、それが私たちを励まし、成長の糧を与えてくれる宝なのだ。
by鈴木 秀子 『愛と癒しのコミュニオン』より



■関連書籍
 
なぜ、「できる人」は「できる人」を育てられないのか? コーチング―人を育てる心理学 この1冊ですべてわかる コーチングの基本

A・オズボーン『創造力を生かす』

■クリエイターの名言・格言 アレックス・F.オズボーン 『創造力を生かす』より


たくさん、たくさん、もっとたくさん!
アイディアにはこれが一番確かな道だ。

 思案が多いほど成功の機会は多くなり、連想力もよくなる。
 
創造的な努力においては量が質をつちかうのだ。
これは論理的、数学的な真理である。

よいアイディアが最初に浮かぶことはめったにないのだ。
 「稲妻のように」浮かぶアイディアは
通常その問題を絶えず念頭においている者のみが得られるのだ。
 

創造力を生かす―アイディアを得る38の方法 】より
 

創造力を生かす―アイディアを得る38の方法
 創造力を生かす―アイディアを得る38の方法
アレックス・オズボーン

■補足
新しい発想に煮詰まったとき、なんだかマンネリ化してしまっていると感じているとき、壁にぶつかって行き場を見失ってしまったとき、

そんなときはこの本を開いてみてはいかがでしょうか。
 
著者のアレックス・オズボーンはアイデア会議に使われる手法である、有名な「ブレーンストーミング(ブレスト)」の発案者。
本書では、個人の創造性、組織の創造性を最大限に高めるための手法や秘訣について、様々な角度から分析されています。

「創造力」について天才的個人の力のみならず、「組織力を使った創造性の発揮」について綴られた古典的名著。
 
創造性を高めたい個人に、クリエイティブな組織仕事に従事している人に、どなたにもオススメの良書です。
 

■関連書籍
 発想法―創造性開発のために (中公新書 (136)) 速効ブレスト―ブレーンストーミングのファシリテーション アイデア会議

マックス・ドゥプリー『リーダーシップは君子のように』

■ビジネス書の名言格言 『リーダーシップは君子のように



リーダーの最初の責務は、現実を明確にすることであり、
最後の仕事は「ありがとう」ということである。



リーダーは組織に対して責任を負わなくてはならないし、組織の明日の繁栄のために、
自分のことばかりでなく後継者についても考慮しておく必要がある。
そのためにリーダーはまず、企業の所有者ではなく、奉仕者とならなくてはならない。


すぐれたリーダーは反対意見を積極的に聞き入れる。
対立した意見には組織の活性化につながるものがあるからだ。


私たちは、成長し、諸々の才能を発揮し、自己実現するため、相互の自由度を確保すべきだ。
相互の自由を認めることにより、様々なアイデアが飛び交う環境が生まれ、
人と人との間に開放感や尊重心が芽生える。
そして喜びや励ましの感情、仲間意識なども育つのである。


余計な言葉ではなく、価値のある言葉を与えること。
つまらない言葉ではなく、その人にとってなくてはならない言葉、
またその場しのぎの言葉ではなく一生心に残る言葉を贈るべきだ。


すぐれたコミュニケーションは、私達に自由を与え、
よりすぐれた仕事を達成できるようにしてくれる。実に単純なことなのだ。
会社でのコミュニケーションがうまくいきさえすれば、
与えられた仕事に対応し、責任を果たすことができるのだ。


リーダーが重い責任を担っているのは、日常業務ではなく、
今後企業に起こりうる出来事についてである。





リーダーシップは君子のように】より

リーダーシップは君子のように―超優良企業を創りあげた新指導者論
リーダーシップは君子のように
マックス ドゥプリー, 村田 昭治




■補足
「リーダーはメンバーに奉仕する者でなくてはならない。」

この考え方を、“サーバント・リーダーシップ”と言います。
サーバント(servant)とは召使い、奉仕者の意味です。
通常考えられるような、上意下達型、命令型のリーダー像ではなく、部下のモチベーションを高めようとする「奉仕するリーダー」。

「自分のために部下がいる」のではなく、「部下のために自分がいる」と考えること。

組織の為にメンバーを奉仕させるだけのリーダーではなく、メンバーの成功と成長の為に尽くすリーダー。

本書『リーダーシップは君子のように』では、このようなサーバント・リーダーシップの考え方を取り上げ、参加意識の高い、すぐれた集団を作り上げるためのリーダーシップ論について書かれています。

周りの力を高め、組織の力を高めるためにリーダーが何を行えばいいのか、数多くのヒントが詰まった一冊です。



■関連書籍
サーバント・リーダーシップ 「いい人」だけがビジネスで成功する―得るためにはまず与える サーバント・リーダーシップという考え方 サーバントコーチング―本当のコーチングは教えてあげるではなく、聞かせてくださいだった!

大久保 寛司 『自分が変われば組織も変わる』

■ビジネスの名言格言 『自分が変われば組織も変わる


自分が変われば組織も変わります。
そのいちばんのコツは、自らのコミュニケーション能力を検証して、
聴く能力を高めることです。
しっかり聴くほうが、相手への理解が深まるのは当然ですが、
じつは自分の思いも正確に伝わるのです。



もちろん、ほめすぎるのはいけません。
ただ、ほめるのは難しいことです。
ましてや、ほめすぎるというのはなかなかできることではありません。
こんなことをいう人にかぎって、ほめすぎることなどないのです。


部下によい仕事をさせて成長してもらおうと思うなら、
人を責めるのではなく、仕事を責めることです。
そして、普段から信頼関係を高めるように努力することです。


いちばんやる気が出るのは、組織全体で質の高い対話を行うことです。
何よりもコミュニケーションをうまくとることが、やる気につながるのです。


他人をどこまで思いやれるかという範囲を図に描いてみてください。
その範囲が、そのまま人間の大きさをあらわしているのではないでしょうか。
ですから、自分のことしか考えられない人は、自分を描いて、それでおしまいです。


真剣に相手のいうことを聴く、相手のことを理解するというのは、
一方的に話すよりも何倍もエネルギーを消費します。
大変に疲れることです。だからこそ、価値があるのです。


意見が異なるからこそ、
お互いに話し合う必要があるという発想をもつべきです。





自分が変われば組織も変わる】より

自分が変われば組織も変わる―コミュニケーション上手になる
自分が変われば組織も変わる―コミュニケーション上手になる
大久保 寛司




■補足
「○○は分かっていない」

こう嘆いている人は、その前に、自らのコミュニケーション能力を点検する必要があるかもしれない。

自分の考えを理解してもらおうと必死になっている時、そんな時は、ひょっとすると、
相手のことを充分に理解していないのかもしれません。

本書『自分が変われば組織も変わる』では、コミュニケーション能力に必要なものとして、相手を充分に理解するために、“聴く”ことが重要であると指摘しています。

組織を変えるために、リーダーとして、まず自分から変わらなければいけないところは、
“聴く”という態度。

本書では、お互いが理解しあい、質の高い対話を行うことで、組織の雰囲気を変え、生き生きとした組織を作ることができると言っています。

『自分が変われば組織も変わる』は、組織を変えたい人、コミュニケーション能力を身に付けたい人にオススメの一冊です。


○大久保 寛司氏の他の書籍
こんな人と組織が生き残る―仕事楽しくしてますか? 仕事の壁を破るヒント 自分が変わる「気づき」の60話 経営の質を高める8つの基準―日本経営品質賞のねらい

デビッド アレン著 田口 元監訳 『ストレスフリーの仕事術』

■ビジネス・教養の名言格言 『ストレスフリーの仕事術



あなたが本当にすべきことは、
周りのことをすっかり片付けることによってはじめて、
明らかになることがあるのだ。



必要なのは自分を律することではなく、規律あるアプローチをとることなのだ。
これ以上もっと勤勉に、がんばらなければならないというわけではない。
あるアプローチにそって、段階的に、全体を把握することだったのだ。


あなたの目の前にあるやりかけの仕事はあなたが生み出したものであり、
さらに重要なのは、
あなたはやりかけの仕事の山を頭の中にも生み出していることである。


机の上に散らばっている書類やメールを片付ける術を習得しなければ、
何かを成し遂げるための鍵を手に入れたとは、とても言えないのである。


「重要かつ緊急な」仕事は一体どこから来るのだろう。
そう、それらはあなたが「重要かつ緊急な」仕事にかまけて無視していた、
「重要だけど緊急ではない」仕事からくるのだ。


やりかけの仕事をすべて把握することができてはじめて、
人生の平穏が完全なものになる。
あなたに必要なのは「完全に終わっていない仕事」を完全に把握することなのだ。





【ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則】より

ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則
ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則
デビッド アレン, David Allen, 田口 元



■補足
「あの件どうしよう」

人はよく忘れることがありますが、
忘れることより思い出してしまうことのほうが弊害が大きいかもしれません。

「気にかかること」

それがストレスの元になっています。

記憶力がいいことも仕事力の一つかもしれませんが、
「忘れてしまっていい状態」になっていることも大切なことです。

そして、そのような忘れてしまっていい状態になるには、「頭脳は信頼できない」ということを考える必要があるかもしれません。

頭脳に「考える」という作業と「記憶」を取り出す作業を両方させることは二重の負担になります。

頭の中だけに色々なものを詰め込んではいないでしょうか。

著者デビット・アレンは次のように言っています。

「頭脳はHDDではない。」
「頭の中というのは、何かを保管するのに安全な場所ではない。」


そのため『ストレスフリーの仕事術』では、頭の中の「気にかかること」を忘れていて済むように、そういったものを全て書き出し、信頼できるシステムに預けてしまうことを勧めています。

本書のまず初めに書いてあることは、
頭の中にある「やりかけの仕事」をすべて紙などに書き出し、
頭の中をすっきりさせること。

これはGTD(Getting Things Done)と呼ばれるワークフロー管理手法の第一段階目ですが、全体の手順は以下のようになります。

・やりかけの仕事を全て紙に書き出す。
・「やること」「やらないこと」「いつかやること」に分ける。
・リストをさらに整理する。
・週毎にリストを見直す。
・実行する。


そして、

「常に頭の中をすっきりさせておくこと」
これがGTDの核心部分になります。

この手順を実行すれば、仕事や人生におけるこまごまとしたストレスから開放されるのではないかと思います。

『ストレスフリーの仕事術』は、海外のアイディアを毎日紹介するサイト「百式」の管理人による監訳本。

仕事におけるストレスから開放され、さらには創造性を発揮するための考え方や手法を知りたい人にお勧めの一冊です。



○GTD関連本
Life Hacks PRESS ~デジタル世代の「カイゼン」術~

高嶌 幸広 『説得上手になる本』

■ビジネス・教養の名言格言 『説得上手になる本


説得は、あなたのためのものではない。相手のためのものである。



人生の勝者と敗者は、説得上手か説得下手かで決まる。
勝者は説得上手であり、敗者は説得下手である。
説得上手は、人の知恵や協力を上手に獲得することができる。
人の力を梃にしながら、しかも人に好意をもたれて、
自分の思いや夢を遂げてしまう。
このような人が敗者であるわけがない。


あなたのまわりの説得力のある人を思い浮かべていただきたい。
いい笑顔をしているはずである。
説得力のある人は、自然な笑顔を絶やさない。


人を動かすということは大変むずかしいことである。
しかし、それを自然にやってのけてしまう人もいる。
どこにその秘密があるのであろうか。
それは、相手を変えることではなく、自らを変えること、
自分が変わることが説得の秘訣であることを知っていて、
それを実践しているからである。


相手を説得する前にしておかなければならないことがある。
それは何かというと、自分自身への説得である。


目的をもって、それに向かって進んでいる姿は美しい。
人は、そんなあなたの努力する姿を見て感心したり、尊敬したりする。
しかも、あなたの体から放出されるエネルギーを感じる。
これらこそが、あなたに説得力を与えるものなのである。





説得上手になる本―相手の心をしっかりつかむ】より

説得上手になる本―相手の心をしっかりつかむ
説得上手になる本―相手の心をしっかりつかむ
高嶌 幸広




■補足

「なんでわかってくれないんだ」
「あの人には何を言っても無駄だ」


自分と他人との間に何かズレが生じたとき、相手を責める言葉が出てくることがあります。

確かに、「ほとんど相手の責任」という場合もあるかもしれませんが、そのような場合であっても、相手を責める考え方のままだと、相手が変わるのを待つしかないという結論になります。

しかし、もし自分自身にもっと説得力があれば問題が解決するのというのであれば、相手の責任だけにはできないのではないでしょうか。

したがって、責める言葉が出ているときには、

「ひょっとすると、自分に説得力が欠けているのではないか」

という視点も必要なように思われます。

もし、周囲の責任ばかりにしてしまう状況に陥っているなら、自分が正しい視点で見ているかどうかの自己点検とともに、自分の説得力を磨くことを考えてみるといいかもしれません。

『説得上手になる本』では、人が説得されるまでのプロセスを、数々の事例を通して説明しながら、「説得力に必要なものとは何か」を明らかにしています。

また、小手先の説得術ではなく、総合的な人間力まで視野に入れた「説得の秘訣」について書かれています。

交渉の場で、職場や様々な人間関係で、相手が変わるのをただ我慢して待つ立場から脱却したい人にオススメの一冊です。


○高嶌 幸広氏の他の書籍
聞き上手になる本―好感をもたれる会話術と情報収集力アップのノウハウ 話し方上手になる本―交渉・説得・プレゼンに自信がつく ほめ上手・叱り上手になる本―部下の心をしっかりつかむ