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梅田望夫 『ウェブ進化論』

■IT界の名言・格言 『ウェブ進化論』



シリコンバレーにあって日本にないもの。
それは、若い世代の創造性や果敢な行動を刺激する
「オプティズムに支えられたビジョン」である。



「何かを表現したって誰にも届かない」という諦観は、
「何かを表現すれば、それを必要とする誰かにきっと届くはず」
という希望に変わろうとしている。


放っておけば消えて失われていってしまうはずの価値、
つまりわずかな金やわずかな時間の断片といった無に近いものを、
無限大に限りなく近い対象から、
ゼロに限りなく近いコストで集積できたら何が起こるのか。
ここに、インターネットの可能性の本質がある。



ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる】より

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる
ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる
梅田 望夫



■補足

梅田望夫氏は“株式会社はてな”の取締役。
若い世代から圧倒的な支持を受けるIT分野の知的リーダー。

『ウェブ進化論』は、
インターネットが登場して10年、
新しい段階に入ったインターネット界の動向について書かれた一冊。
「チープ革命」「ロングテール」「ブログ」「オープンソース」「Web 2.0」など
ウェブ界のキーワードに注目しながら、
その現象と、新しい時代の流れを読み取っています。

ウェブ界に限定した狭い範囲ですが、
アルビン・トフラーの「第三の波」や「未来への衝撃」などを読んだ時のような読後感がありました。

ネット関係の仕事をしている人なら特にオススメの一冊ですが、
あまりインターネットに興味のない方でも、
新しい視点、意外な視点を得ることができると思いますので、
とりあえず読んでみてもいいのではないでしょうか。


「チープ革命」「ロングテール」「Web 2.0」
など、特殊な用語が出てきますので、
ちょっと説明してみます。


「チープ革命」
低価格化や、コストが低下していくことによって、
社会が革命的に変化していくこと。

梅田氏は、このチープ革命によって
「総表現社会」の方向へ進み、
既存のメディア界の権威が揺らいでいくと言っています。

実際インターネットは現時点で大きな影響を持つようになりましたが、
ブログの登場でメディアとして大きな成長をしたように思います。


「ロングテール理論」
いわゆる80対20の法則(パレートの法則)とまったく反対概念の理論
パレートの法則では、
80%の利益は20%の商品によって占めらるというような説明をします。
在庫管理や、売り場面積等のコスト管理のため、
ABC管理等で重要な20%以外の切り捨て・整理を行います。
“重要なものは常に少数である”というのがパレートの法則の核心部分です。

それに対してロングテール理論は、
小さなもの死に筋商品でも切り捨てず、集積していくことによって、
“多数”が“有力な少数”を凌駕するという理論です。
米Wired誌の編集長であったクリス・アンダーソン (Chris Anderson) によって提唱されました。名前の由来は、グラフにすると販売数量の少ない商品群の部分が長〜い尾(ロングテール)のようになるところから来ています。

Webの世界では、今までのコスト感覚とは全く違ったものなっています。
なので、多数のニッチな商品を少量ずつ販売する(コストをかけずに)ことで、大きな収益を得ることができたりします。

ちなみに、今までの小売業においては、
20%の商品が80%の利益を上げるというパターンですが、
amazonでは、通常であれば切り捨てられる80%の商品によって、
利益の半分以上を占めているそうです。

ロングテール理論は、塵のようなものであっても、
それを集積することによって大きな価値を生むという発想です。

商品の管理や販売以外にも、
応用されていく理論ではないかと思います。


(併せて読みたい本)

80対20の法則を覆す ロングテールの法則
80対20の法則を覆す ロングテールの法則
菅谷 義博

・ロングテール理論をどうやってマーケティングに応用していくかを体系的にまとめた一冊。


人生を変える80対20の法則
人生を変える80対20の法則
リチャード コッチ, Richard Koch, 仁平 和夫

・パレートの法則についての一冊。様々なものにパレートの法則があてはることを説明しています。





「Web 2.0」
とくに意味が決まっているわけではなく、
新しい世代のWebと古い世代のWebを分けて考えるための標語的なもの。

梅田氏は、


「ネット上の不特定多数の人々(や企業)を、
受動的なサービス享受者ではなく能動的な表現者と認めて
積極的に巻き込んでいくための技術やサービス開発姿勢」
がその本質だと私は考えている。



というふうに説明し、
GoogleやAmazonがWeb 2.0の代表的な企業として紹介されています。


本書にのっているピエール・オミディアーの説明も面白いです。


道具を人々の手に行き渡らせるんだ。
皆が一緒に働いたり、共有したり、協働したりできる道具を。
「人々は善だ」という信念から始めるんだ。
そしてそれらが結びついたものも必然的に善に違いない。
そう、それで世界が変わるはずだ。Web 2.0とはそういうことなんだ。



インターネットでは“繋がる”という発想が重要だと思いますが、
本書を読むとこのあたりに関して、よく理解することができます。



(併せて読みたい書籍)

「みんなの意見」は案外正しい
「みんなの意見」は案外正しい
ジェームズ・スロウィッキー, 小高 尚子

・「ウェブ進化論」でも紹介されていた本。
「Web2.0」やGoogleに関心のある方にオススメの一冊。
条件が整うと、集団が優れた個人より適切な判断を下すことを説明したもの。Googleのページランクなどが、意見集約のための優れたシステムとして取り上げられています。

GoogleやAmazonの高度な技術を真似することは難しくても、
その発想は参考になるところが多いと思います。










| ビジネス・教養の名言・格言 | 02:10 | comments(1) | trackbacks(2) | - | - |
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『ウェブ進化論』(梅田望夫著)@素直に波に乗ってハッピー。
久しぶりのヒット本に当たりました。知的興奮状態。 『ウェブ進化論』(梅田望夫著) ※本書は「スパルタ読書塾」(→記事はこちらでご紹介しています)コミュニティでご紹介い
2006/04/13 5:48 PM, from 今日、僕が学んだこと。〜一歩ずつ愚直に前進、プチファイ・ライフ〜
「ウェブ進化論」を読んで−技術革新に伴う破壊的変化を鋭く解説する傑作
ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる梅田 望夫 筑摩書房 2006-02-07売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools この作品は、「グーグル前」と「グーグル後」で何が変わるのかを的確に表現している。 そのインパクトとは、いままで取るに足らないと
2006/05/09 12:25 AM, from テクノロジーとマネジメントの狭間に

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