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『80対20の法則を覆す ロングテールの法則』

■マーケティングの名言・格言 『ロングテールの法則』


商品は店員や営業マンが売るのではない。
「売れる仕組み」が売るのだ。



マーケティングとは「売れる仕組み」のことである。


実は「売上を上げる」ことは、簡単でシンプルなことなのである。
「うまくいったものを残し、うまくいかなかったものをやめる」
これだけだ。


必要なのはマーケティングの「ネット化」ではなく、
マーケティングの「自動化」である。


顧客への対応が自動化できるなら、絞り込む必要がないのだ。


顕在化していないニーズに対応できる状況をつくっているからこそ、
ふとしたはずみで顕在化される、きわめてニッチなニーズにも対応可能なのだ。





80対20の法則を覆す ロングテールの法則】より

80対20の法則を覆す ロングテールの法則
80対20の法則を覆す ロングテールの法則
菅谷 義博




■補足
●「ロングテール理論」
いわゆる80対20の法則(パレートの法則)とまったく反対概念の理論
パレートの法則では、
80%の利益は20%の商品によって占めらるというような説明をします。
在庫管理や、売り場面積等のコスト管理のため、
ABC管理等で重要な20%以外の切り捨て・整理を行います。
“重要なものは常に少数である”というのがパレートの法則の核心部分です。

それに対してロングテール理論は、
小さなもの死に筋商品でも切り捨てず、集積していくことによって、
“多数”が“有力な少数”を凌駕するという理論です。
米Wired誌の編集長であったクリス・アンダーソン (Chris Anderson) によって提唱されました。
名前の由来は、グラフにすると販売数量の少ない商品群の部分が長〜い尾(ロングテール)のようになるところから来ています。



『ロングテールの法則』では、
ネット世界で起きている“ロングテール現象”を分析して、
従来のマーケティング理論を組み立て直し、
新しいマーケティング理論としての“ロングテール戦略”を提示しています。

本書では、いきなり

「あなたは、顧客を切り捨てている」

という言葉からはじまります。

これまでのマーケティングの考え方は、
いわゆる“80対20の法則(パレートの法則)”が基礎になっており、
2割の優良顧客を優遇して、リピーターを獲得することに主眼が置かれます。
つまり8割の顧客は、“切り捨て”られるということになります。

これに対して、『ロングテールの法則』では、
顧客を「切り捨て」ないことに主眼があり、
マーケティングの自動化によって、
通常であれば切り捨てられる、
8割の顧客それぞれに対応することができるとしています。

ちなみに、
最近本屋で見かける『ウェブ進化論』でもロングテールの説明に多く割かれていました。
『ウェブ進化論』では、

ロングテールは「ネットを徹底活用しないならば何も意味がない」が正解である。
ロングテール現象とはネット世界でのみ起こる現象だからだ。


という説明になっていましたが、
『ロングテールの法則』では、

また、「ロングテール戦略」がネット企業だけのものではない
こともお分かりいただけるはずだ。


といって、多少違いが出ています。
ITの有効活用によるマーケティングの自動化によるなら、
ネット企業でなくてもロングテールを発生させることができるという意味でしょうか。
議論のあるところなのかもしれません。

どちらにせよ、
本書の合理的なマーケティング理論は、
ネットやITをあまり活用していないような業種でも参考になるところが多いように思います。

ネット世界の動向を知りたい人や、
新しい発想を取り入れていきたい人にオススメの一冊です。



【追記】
著者の菅谷義博氏に次のようなコメントを頂きました。


さて、ご指摘いただいた通り、梅田さんの『ウェブ進化論』とはロングテールに関する解釈が少々異なりますね。
これは梅田さんの本はどちらかというと社会学的な考察が中心なのに対して、私の本はあくまで「マーケティング」における適用を考えたという違いではないかと思っています。
まあ本書で書いたとおり、「ロングテール」という現象、言葉自体にはたいした意味はなく、それがもたらされている背景を理解し、ビジネスに生かしていただければと思い、執筆いたしました。



本書『ロングテールの法則』
には、次のように書かれていますが、おそらくこのあたりがミソだと思います。


ロングテール自体はただの現象に過ぎないが、
その本質を理解すれば、
これまでのマーケティングの問題点と、
これからの採るべき戦略が見えてくるはずだ。


ただし、ロングテール現象が実際の数値として現われることは、
戦略としてはそれほど重要ではない。
重要なのは、マーケティングの自動化によって、
従来はすくいあげられなかったニッチをすくいあげられるという点である。




また、ニッチというとどうしても“特定のニッチに対して局所集中の法則”
みたいになるような気がしますが、
分散しつつも、コストをかけずに“ニッチをすくいあげる”という発想は面白いと思います。
やはりそのためにも「マーケティングの自動化」を図ることがポイントということですね。


また、ほかにも本書で面白かったのが、
ロングテールを“時間軸”でとらえていたところです。


顧客の時間軸をとらえるロングテール戦略においては、
顧客の人生のニーズを積極的に追及する。



時間と空間で物事を捉えるといいますが、
時間軸でとらえたロングテール戦略とは、
なかなか面白い視点だと思います。


マーケティングの本として非常に優れた一冊だと思います。
基本的には「ITを利用してのマーケティングの自動化」
のススメになっていると思いますが、
まったくITを利用していないところでも、
『ロングテールの法則』の発想や理論は参考になるところが多々あるように思います。

営業やマーケティングにかかわる人ならもちろん、
そうでない人でも新しい視点を得ることができると思いますので、
是非読んでみてください。オススメの一冊です。






【関連リンク】
『ロングテールの法則』の著者、菅谷義博氏のブログ


【サイト内関連記事】
梅田望夫 『ウェブ進化論』
| ビジネス・教養の名言・格言 | 02:59 | comments(3) | trackbacks(1) | - | - |
Comment
『ロングテールの法則』著者の菅谷です。
大変詳しくご紹介いただきましてありがとうございます。

さて、ご指摘いただいた通り、梅田さんの『ウェブ進化論』とはロングテールに関する解釈が少々異なりますね。
これは梅田さんの本はどちらかというと社会学的な考察が中心なのに対して、私の本はあくまで「マーケティング」における適用を考えたという違いではないかと思っています。
まあ本書で書いたとおり、「ロングテール」という現象、言葉自体にはたいした意味はなく、それがもたらされている背景を理解し、ビジネスに生かしていただければと思い、執筆いたしました。
今後ともよろしくお願いいたします。
2006/03/20 10:46 AM, from 菅谷義博
菅谷様、コメントありがとうございます。
著者の方にコメントを頂いて恐縮です。
「ロングテールの法則」非常に面白い本でした。

また、コメントを頂いたので少々追記を加えさせて頂きました。
今後ともよろしくお願いします。
2006/03/21 1:37 AM, from 本の中の名言・格言管理人
ブログ紹介サイトが出来ました。
もし、あなた様がよろしければ・・・
当サイト「BlogStation69」にてあなた様のブログをご紹介させていただけないでしょうか?
2006/03/21 6:25 AM, from BlogStation69









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80対20の法則を覆す ロングテールの法則
80対20の法則を覆す ロングテールの法則 菅谷 義博 東洋経済新報社 2006-02-24 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools ★★★★★★★★☆☆ 「ウェブ進化論」で「ロングテール」という単語を初めて知り、またその内容に衝撃を
2006/04/23 10:46 PM, from Book Review’S 〜本は成長の糧〜

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