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アラン 『四季をめぐる51のプロポ』

■哲学者の名言・格言 『四季をめぐる51のプロポ』


終えることによって始めない人は、始めることができない。



哲学には「石」のような哲学もあれば、「幸福」な哲学もある。


何が問題なのかが完全にわかったら、その問題は解決されている。
したがって解決とは問いの真に明晰な把握にほかならない。


大とは小の合計にすぎない。


謙遜のなかには、まだあまりに多くの野心があると、ぼくは思う。
第一の点は、自分に求めている徳を、他者に要求しないことである。


それがはたしてよかったのか悪かったのかは、人の知りえないことである。
坂を転がる石はどんな石も、他の石を転がしてしまう。


いつも存在するものに満足しなければならない。それがよろこびだったら、もっといい。




四季をめぐる51のプロポ】より

四季をめぐる51のプロポ
四季をめぐる51のプロポ
アラン, 神谷 幹夫




■補足
Alain(1868-1951)
アランはフランスの哲学者。
アランはペンネームで、本名はEmile-Auguste Chartier。

『四季をめぐる51のプロポ』は、
四季の移り変わりの中で人間世界を考察した、51編の断章。
プロポとはアラン自身が考え出した文学ジャンル。
短いエッセイのようでもあり、
文学的かつ哲学的な文章でもあり、という印象です。


『四季をめぐる51のプロポ』の中に、


人間は水と岩からなっている。水によって若返り、岩によって老いる。


という言葉が出てきますが、
アランの“水の思想”について、
少し他の水の思想と関連させながら書いてみます。

日本的な文化と言われる“水に流す”という考え方があります。
水で身を清める“禊(ミソギ)”の思想から由来しているとも言われますが、
水を理想とし、水の姿から学ぼうとする思想は、
実際には古今東西にあるものです。


“上善は水の如し。水はよく万物を利して、争わず”
と言ったのは中国の思想家、老子で、
“万物の根源は水である”と言ったのはギリシャの哲学者タレスです。

タレスの思想自体はほとんど伝わっていませんが、
アランの水の思想も、
日本的“水に流す”思想と近いところがあり、
“流動的で忘れっぽいもの”を美徳としています。


航跡は何も記さない。
そして嵐の過ぎ去った後の海は、相変わらずの、しかもつねに新しい海である。
byアラン


自分のこころの安らかさと、
流れる身体の均衡と勇気のある忘却を再び見い出すことだろう
byアラン


自分の内でも自分の外でも、
航跡に浸した下着のように、大海の波で自己を洗う者は幸いである。
byアラン



アランは、心と身体を固定したものと考えるのではなく、
水のように流動的なものに意識することを勧めています。
循環が滞ることのないようにすることが、
心の健康にも、身体の健康にとっても大切なことだということでしょう。


また、なにかで記憶を反芻する事もあるかと思いますが、
アランが“勇気のある忘却”と言っているように、
“忘却力”も心の健康にとって必要なものかもしれません。


『四季をめぐる51のプロポ』は詩的で難解な文章ですが、
所々に鋭い考察や諦観した人間観が感じられ、興味深く読める一冊です。


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| 哲学・思想・宗教の名言・格言 | 03:02 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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