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『怒りをコントロールできる人、できない人』

■心理学の名言・格言 『怒りをコントロールできる人、できない人』


行動の習慣を変えたいなら、思考の習慣も変えたほうがよい。



愛から愛が生まれるように、激怒からは報復の心が生じる。


多くの人と同じくあなたも怒りは嫌いな人々に向けるものだと信じているだろう。
ところがそれは間違っているのだ。
私たちは、よく知っている人に対して怒るほうが多いのである。


敵意と暴力はしばしば勇気が欠けているから生じる。


怒りや暴力が単に不満が原因で起きることはまれで、
低い欲求不満耐性のために起きる。


個人の成長は、欲求不満を避けることからではなく、
それと直面し、それについて愚痴をこぼすのをあきらめることから生まれる。


ヒトラーを憎むとき、あなたはヒトラーのようになる。
他人の特徴のどこかを嫌うために、他人をすべて非難する人に変わるだろう。


全てを許し、何も忘れるな。





怒りをコントロールできる人、できない人】より

怒りをコントロールできる人、できない人―理性感情行動療法(REBT)による怒りの解決法
怒りをコントロールできる人、できない人
理性感情行動療法(REBT)による怒りの解決法

アルバート エリス, レイモンド・C. タフレイト, Albert Ellis, Raymond Chip Tafrate, 野口 京子




■補足
『怒りをコントロールできる人、できない人』では、
「何故Aは〜しないのか?」
という思いの裏には、
理性的な思考と非理性的な思考が存在していると説明しています。

著者のエリスによれば、
理性的な思考とは通常、
「〜が好ましい」であり、
非理性的な思考とは、
「〜であるべきだ。でなければればならない」
というもの。

「〜であるべきだ。でなければならない」という思考は、
建設的なものではなく、
破壊的な感情である怒りや行動につながりやすいと指摘されています。

そして、感情を不健康な“怒り”ではなく、
“健康的な不快感”に変えていく技術、
理性感情行動療法(REBT)について解説されています。
このREBT(Rational Emotive Behavior Therapy)は理性感情行動療法と訳されていますが、日本では、古くからは“論理療法”と知られています。
(本書の著者であり論理療法の創始者であるエリスがRTから、RET、REBTと用語を進化させたため用語の不統一が起きています)

論理療法の基本的な考えを簡単に説明すると、

・感情の前に必ず思考が存在する
・思考を変えることによって、感情をコントロールすることができる


というもので、
具体的には、ABCD理論という理論で、
心と行動のコントロールプロセスが説明されます。

ABCD理論とは、
A:出来事(Activating events)と、C:感情の結論(Consequences)の間には、
必ず、B:ビリーフ(Beliefs/信念・思考)が存在する
そのビリーフには理性的ビリーフと非理性的ビリーフがあり、
非理性的ビリーフを理性的にD:論破(Dispute)することによって、
感情と行動をコントロールすることができるというものです。

この論理療法は、カウンセリングで受けることもできますが、
誰にも依存しないで出来る療法で、自己療法に適した理論と言われています。


また、エリスは不快な出来事に出会ったときに人間がとる行動を、
以下の三つに分けて説明しています。


消極的行動: 
何かを欲しいと思っていて、正直にその要求を表現しない、またはそれを手に入れるために実際に努力をしない。間接的、消極的、またいくらか不正直な手段に訴える。自分が本当に欲しいものと欲しくないものを自分で認めないことが多い。不必要に自分自身を抑制し、基本的欲求でさえ否定することもある。心配したり、傷ついたり、怒ったりする傾向にある。

主張的行動: 
何かを欲しいと思っていて、それを正直に認識し、ほとんどの場合それを手に入れようとする。自分が欲しいことを十分他人に明かさないままでそれを手に入れようとすることはあるが、他人に対して率直に行動する傾向がある。自己の利益を考え、自己の力を強めたいと感じている。他人の価値や目標を尊敬するが、彼らのよりも自分自身を優先する。活発で表現豊かに行動する。

攻撃的行動: 
自分の目標に妨げる他人に対して怒りを感じていて、自分が欲しいものを手に入れるのではなく、彼らの目標を妨げようとする。だが、彼らは反対すべきではない、反対すべきではないと、強く信じている。不適切な方法ではあるが、感情を正直に出す。他人からは本当に望むことを妨げられる。自分自身を十分に表現し、しばしばそれをやり過ぎる。正義を感じ、他人より優れていると感じ、他人を非難しがちである。また、自分の敵意について罪の意識も感じることがある。



上記の「消極的行動」、「主張的行動」、「攻撃的行動」の中で好ましいものは「主張的行動」のみになりますが、
エリスは、主張しないことが、往々にして怒りの原因になっていると指摘しています。


怒りは恥の感情から出てくることが多いように、
「主張しないこと」の根深いところからも生じるのである。

敵意と暴力はしばしば勇気が欠けているから生じる。



様々な人間関係の中で、

怒りやストレスを 溜めて溜めて〜    ボン!

というような感じで、
消極的行動から、極端に攻撃的行動に移り変わることもあるかもしれません。

エリスは、
怒りの感情が、本人にとって身近な人に向けられがちであるとし、
怒りの感情の表出は、
大事な人間関係を破壊してしまう危険性のあるものだと語っています。

怒りを自分の内に溜めてしまうでもなく、
攻撃的な言葉や行動に出るのでもなく、
感情を“健康的な失望感や不快感”にし、
思いやりのある主張的行動をとるようにと勧めています。

論理療法(ABCD理論)は、
理性的になることによって自分も他人も傷つけないですむ、
優れた“心と行動のコントロール理論”になっています。


ちなみにですが、あまりに倫理的で、
“人はどんなときでも絶対に怒るべきではない”という考えを持っているなら、
エリスの理論では非理性的ビリーフと見なされるものになります。

「怒る人に怒る」

というのはよく見る現象ですが、
怒りを向けられて怒りを返さずに不満を溜め込む人と、
怒りを向け合って不平の言い合いになる場合とがあると思います。

不平の言い合いで問題が解決する場合があるかも知れませんが、
人間関係に深い傷跡を残す可能性があります。
また、“人はどんなときでも絶対に怒るべきではない”
というビリーフが過ぎたものになってしまうと、

「怒るなんて……むかむか」

という具合に、自分に対して怒りを向けられたとき、
逆に自分の中に不平や怒りを溜め込む原因になります。

したがって、
“人はどんなときでも絶対に怒るべきではない”
というビリーフを
“怒ることもあるだろうが、怒りを起こさないようにすることがより好ましい”
というビリーフに変え、
自他ともに平静心を保てるよう、穏やかに対話できる方向に向けていくことが望まれる方法になります。

以上が、エリスの言うところの理性的“心のコントロール理論”の簡単な説明です。

『怒りをコントロールできる人、できない人』は、
怒りっぽい人、また、怒りや不満を内に溜めがちな人にオススメの一冊です。
| 心理学・自己啓発の名言・格言 | 00:24 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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