<< ブライアン・トレーシー 『ゴール―最速で成果が上がる21ステップ』 | main | 遠藤 功 『見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み』 >>

『感情力 -自分をコントロールできる人できない人』

■心理学の名言・格言 『感情力』



感情には長短がある。人は感情に突き動かされて、失敗することがある。
だが、その反対に自分や相手の感情に注意深くなることによって、
失敗を防ぐこともできるのである。



人は怒りの感情にとらわれると、
相手が故意にやっていると実際以上に思い込む傾向がある。


「怒り」とつきあう時にあまりしてはいけないことから話を始めよう。
それは心臓によくないやり方、
つまり、「怒りを爆発させる」ことと、「怒りを抑える」ことである。


私たちは「羨望」という感情をなかなか認めることができず、
「正義感」の衣をかぶせてしまうことがよくある。


「喜び」は重要な感情である。
しかし、こう言ってよければ、悲しいほど軽く扱われている。


嬉し涙が出てくる時にはひとつのパターンがあることがわかる。
それは現在の喜びに過去の苦しみや悲しみが混ざっているということだ。


「悲しみ」は人の注意を惹き、同情を引き起こす。
…しかし、現実的に考えると、「悲しみを見せる」ことには二つのリスクがある。
度が過ぎると、まわりの人をうんざりさせ、また弱い人間だと見なされるということである。
したがって、悲しみを表現する時には度を過ごさないよう注意が必要である。




感情力―自分をコントロールできる人できない人】より

感情力―自分をコントロールできる人できない人
感情力―自分をコントロールできる人できない人
フランソワ ルロール, クリストフ アンドレ, Francois Lelord, Christophe Andr´e, 高野 優




■補足
『感情力』は、
「怒り」「羨望」「喜び」「悲しみ」
「羞恥」「嫉妬」「恐怖」「恋愛」
などの感情のメカニズムを、多様な心理学者の立場を踏まえつつ解説し、感情との上手なつきあい方について語られている一冊です。

本書では、一つ一つの感情について詳しく書かれていますが、全ての感情について解説するとあまりに多くなってしまいますので、興味を惹かれたところだけ、少し書いてみます。


○「感情に身を任せるのも、感情を抑えむのもいけない」

よく言われることですが、本書では、感情のおもむくままに生きることは、感情のコントロールがどんどん難しくなっていく原因になると指摘されています。感情と上手につきあうためには、感情を抑えるでも発散させるでもない方法を学ばなくてはいけません。

本書に以下のように書かれています。


嫌な感情を静めようと思ったら、その感情をことさら発散させようとしないほうがいい。それはむしろ逆効果である。要するに、感情に身を任せてはいけないのだ。
しかしそのいっぽうで、感情というのは抑えこんでもためこんでもいけない。



怒り・悲しみといったネガティブ感情は、それを表明することによって増幅し、習慣化する傾向があるそうです。

悲しいときに涙を流して癒されるのは、あくまで他人の共感が得られた場合のようで、自分だけで涙を流して悲しみにくれた場合や、他人の共感が得られなかった場合は、逆に悲しみは増幅し、悲しみが常態化してしまう可能性が高いということです。

また、人は怒りの感情を表明すると、些細なことでもイライラしやすくなる傾向があり、怒りを表明することで、
さらに怒りっぽい習慣を身につけてしまうと指摘されています。

また、
不満を持つ人や怒る人は自分が正しいと思い込む傾向がある
という考え方もありますので、
あまり主観的な立場からのみではなく、
状況を客観的に見る、
あるいは相手の立場で見ることも大切かと思います。


マイナス感情を生み出す三つの根源のうちの一つは、「正当化」です。自分が怒ったり腹を立てたりする正当な理由があると思い込んでいる人は、マイナス感情にとらわれます。
ブライアン・トレーシー「ゴール」より



なにより、「感情に身を任せない」ということが大切だということでしょう。



○「感情の反響効果」

また本書では、「感情の反響効果」というものが説明されています。

「感情の反響効果」とは、いくつかの感情が互いに反響しあうことでより複雑になり、非常に強い感情になったり、長く引きずってしまうというもの。


どうしてほかの感情が結びついていると、悲しみは癒されにくいのか?それは一種の「反響効果」のようにそれぞれの感情がほかの感情を刺激して、活性化してしまうからである。


悲しみの感情は、「不安」と結びついたり、「怒り」と結びついたりして、長く癒されにくいものになると指摘されています。したがって、悲しみが長引いている場合は、複数の感情を解いていくように自分や他人と向き合っていくといいかもしれません。


また、「恥と怒りのスパイラル」というものがあります。
本書では、感情の反響効果によって、恥と怒りとがお互いに刺激しあい、復讐心は強い感情になる指摘されています。


屈辱を受けた人間は怒りを増幅させ、激しい攻撃でその恨みを晴らそうとする


悲劇的な事件の背景には、復讐心にある場合が多いと思われますが、相手を追い込むまでの恥を与えることほど復讐心を呼び起こすものはありません。
「窮鼠猫を噛む」という言葉がありますが、立場的に人を追むことは、その人に攻撃心を持たせてしまう可能性があります。

また、恥という感情は、劣等感を刺激して非常に長引くものでありますので、復讐は相当時間が立っても行われる可能性があります。

人の恨みを買わないためには、他人も恥を与える行為は慎むほうがいいでしょう。


また、逆の立場から言えば、恨みを晴らすという行為には、必ず後悔がついてくるものだと思います。

もし誰かに対する恨み心を引きずっているのなら、恨み心の原因となった、恥の感情の背後にある劣等感を克服することで、感情の反響効果をストップさせることができるかもしれません。


「感情の反響効果」は、同じく嫉妬心でも起こります。
嫉妬心は、主に「怒り・不安・悲しみ・羞恥」の感情がミックスしていると言われています。

たとえば、自己評価の低い人は、劣等感と不安とが結びつきやすく、嫉妬の感情が表れやすくなります。

本書では、嫉妬心は隠れやすく、表現しにくい感情であるため、まず嫉妬を抱いていることを認めることが大切だと解説しています。


大切なことは、「嫉妬」を抱かないことではない。「嫉妬」を認めたうえでコントロールすることなのである。



○「感情力の定義」

最後に本書での感情力の定義を引用しておきます。


・怒りでも悲しみでも嫉妬でも喜びでも、
 自分がどんな感情を抱いているかに気づき、
 またそのことを率直に認める能力。

・人間関係を壊すのではなく、
 コミュニケーションがうまくいく形で感情を表現する能力

・感情に突き動かされたり、
 反対に激しい感情のせいで何もできなくなったりするのではなく、
 感情をうまく利用して適切に行動する能力

・相手の感情を理解し、適切に反応する能力



簡単にまとめると、
「自他の感情を理解し、適切に対応できる能力」
ということになるかと思います。


一つ一つの感情について書かれた本は沢山ありますが、
『感情力』は、感情全般について書かれていて、よくまとまっている一冊だと思います。
自分や他人の感情を理解し、ビジネスにも家庭にも活かせる“感情力”を磨きたい人にオススメの一冊です。

| 心理学・自己啓発の名言・格言 | 03:07 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
Comment









Trackback
url: http://wisewords.holly.holy.jp/trackback/245353

09
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
--
>>
<<
--
Profile
New entries
Archives
Categories
Recent comment
Recent trackback
Recommend
Recommend
知っておきたい日本の名言・格言事典
知っておきたい日本の名言・格言事典 (JUGEMレビュー »)
大隅 和雄,季武 嘉也,義江 彰夫,神田 千里,山本 博文
Recommend
Mobile
qrcode
Links
Others
無料ブログ作成サービス JUGEM