2006.05.28 Sunday
小倉 昌男 『やればわかるやればできる』
■経営者の名言・格言 小倉 昌男『やればわかるやればできる』
お客さまだから親切に、身内だから不親切ではいけない。
まして社内、特に上役だから親切に、部外者だから不親切など、とんでもない話。
サービス業に携わる者は、いつでも、誰にでも親切心がなければ失格だと思う。
ふつう、弱い部門にはあまり力を入れず、
強い、自身のある部門を強調して、発展していくのが経営の定石である。
しかし、その逆を行く道もある。
見方を変え、やり方を変えれば、弱点は最大の長所になり得るからである。
われわれはとかく、晴れた日は良い日で、雨や雪は悪い日だ、と考えがちである。
だが、晴れも雨も雪も必ずある以上、すべてを良い日にするよう、
日頃から対応を考えて行動する必要がある。
もし、それができていれば、ほかの人が雨や雪を悪い日だと考えているだけに、
商売のうえで、大きなメリットが得られるはずである。
しかし優しい人には二種類ある。
性格が穏やかで言葉づかいも静かな人。
それも良い人だが、それだけでは物足りない。
心に思いやりがあり、常に相手のことを気づかって行動する人、
それこそ本当の優しい人だと思う。
私は、経営は論理だと思っている。だから、考える必要がある。
考えて、考えて、考え抜く。でも、わからないことがある。
その場合はやってみることである。
やってみればわかる。やらなければわからない。
これは私の信条である。
小倉 昌男【やればわかるやればできる】より
やればわかるやればできる―クロネコ宅急便が成功したわけ
小倉 昌男
■補足
物事を見るのは人によってそんなに違いはない。
問題は見てからそれをどう感じるか、どう行動するかの違いである。
心の動き、それが気働きにつながるのである。
お客さまだから親切に、身内だから不親切ではいけない。
まして社内、特に上役だから親切に、部外者だから不親切など、とんでもない話。
サービス業に携わる者は、いつでも、誰にでも親切心がなければ失格だと思う。
ふつう、弱い部門にはあまり力を入れず、
強い、自身のある部門を強調して、発展していくのが経営の定石である。
しかし、その逆を行く道もある。
見方を変え、やり方を変えれば、弱点は最大の長所になり得るからである。
われわれはとかく、晴れた日は良い日で、雨や雪は悪い日だ、と考えがちである。
だが、晴れも雨も雪も必ずある以上、すべてを良い日にするよう、
日頃から対応を考えて行動する必要がある。
もし、それができていれば、ほかの人が雨や雪を悪い日だと考えているだけに、
商売のうえで、大きなメリットが得られるはずである。
しかし優しい人には二種類ある。
性格が穏やかで言葉づかいも静かな人。
それも良い人だが、それだけでは物足りない。
心に思いやりがあり、常に相手のことを気づかって行動する人、
それこそ本当の優しい人だと思う。
私は、経営は論理だと思っている。だから、考える必要がある。
考えて、考えて、考え抜く。でも、わからないことがある。
その場合はやってみることである。
やってみればわかる。やらなければわからない。
これは私の信条である。
小倉 昌男【やればわかるやればできる】より
やればわかるやればできる―クロネコ宅急便が成功したわけ
小倉 昌男
■補足
おぐら まさお(1924-2005)
小倉昌男氏はヤマト運輸元会長。
ヤマト運輸『宅急便』サービスの生みの親です。
『やればわかるやればできる』は、
ヤマト運輸の中の社内報「ヤマトニュース」に連載されていた、
小倉昌男氏のコラムの一部をまとめたもの。
小倉氏の洗練された思考と、温かみのある人格が伝わってくる一冊です。
小倉昌男氏は、“経営は論理である”と語っていますが、
その考えに考え抜かれて得られた知恵は、とても参考になるところがあります。
例えば以下の言葉など、
精神論的な考え方に偏りがちな人には、
思いつきにくい発想かもしれません。
当社では、「安全第一、営業第二」ということをモットーにしている。
これは、安全も営業も能率もすべてを第一にしたいのが人情であるけれど、
すべてが第一であるということは、結局、本当の第一がないということになる。
「安全と能率どっちが大事ですか?」
と聞かれると、
「どれも大事だ!」
と答えてしまうかもしれません。
二つや三つのバランスをとるという考え方もあるとは思いますが、
「安全も能率も営業もどれもしっかりやれ」と言っていても、
結局どれも中途半端になってしまうことがあります。
このように、一方を立てると一方が難しくなるという、
相反する問題、矛盾する問題がよくありますが、
小倉昌男氏は、そういった問題には必ず優先順位を付けていたようです。
第一に優先するもの、第二に優先するものを社員に示すことで、
まず第一のものをしっかりさせ、段階的に矛盾の解決を図るという発想です。
優先順位を決め、それを示したなら、
第一のものからしっかりやろうとします。
そして、第一のものがしっかりできるようになると、
第二のものにも余裕を持って取り組むことができるようになるということです。
ちなみに、
利益の確保と、サービスといった問題に対しても、
小倉昌男氏は、“サービスが先、利益は後”という標語を立て、
社員に優先順位を示しています。
サービスを充実させれば、必ず利益が後についてくると考え、
実際、思惑通りの結果になったようです。
二つの相反する価値観が出てきたとき、
バランスをとる、どちらかを選ぶという考え方があると思いますが、
このような、小倉昌男氏の“戦略的”に優先順位を付ける発想は、
一つの参考になるのではないでしょうか。
また、Yahoo!ブックスで、
『やればわかるやればできる』発刊時のインタビューが載っています。ご参考にどうぞ。
Yahoo!ブックス 小倉昌男氏インタビュー
小倉昌男氏はヤマト運輸元会長。
ヤマト運輸『宅急便』サービスの生みの親です。
『やればわかるやればできる』は、
ヤマト運輸の中の社内報「ヤマトニュース」に連載されていた、
小倉昌男氏のコラムの一部をまとめたもの。
小倉氏の洗練された思考と、温かみのある人格が伝わってくる一冊です。
小倉昌男氏は、“経営は論理である”と語っていますが、
その考えに考え抜かれて得られた知恵は、とても参考になるところがあります。
例えば以下の言葉など、
精神論的な考え方に偏りがちな人には、
思いつきにくい発想かもしれません。
当社では、「安全第一、営業第二」ということをモットーにしている。
これは、安全も営業も能率もすべてを第一にしたいのが人情であるけれど、
すべてが第一であるということは、結局、本当の第一がないということになる。
「安全と能率どっちが大事ですか?」
と聞かれると、
「どれも大事だ!」
と答えてしまうかもしれません。
二つや三つのバランスをとるという考え方もあるとは思いますが、
「安全も能率も営業もどれもしっかりやれ」と言っていても、
結局どれも中途半端になってしまうことがあります。
このように、一方を立てると一方が難しくなるという、
相反する問題、矛盾する問題がよくありますが、
小倉昌男氏は、そういった問題には必ず優先順位を付けていたようです。
第一に優先するもの、第二に優先するものを社員に示すことで、
まず第一のものをしっかりさせ、段階的に矛盾の解決を図るという発想です。
優先順位を決め、それを示したなら、
第一のものからしっかりやろうとします。
そして、第一のものがしっかりできるようになると、
第二のものにも余裕を持って取り組むことができるようになるということです。
ちなみに、
利益の確保と、サービスといった問題に対しても、
小倉昌男氏は、“サービスが先、利益は後”という標語を立て、
社員に優先順位を示しています。
サービスを充実させれば、必ず利益が後についてくると考え、
実際、思惑通りの結果になったようです。
二つの相反する価値観が出てきたとき、
バランスをとる、どちらかを選ぶという考え方があると思いますが、
このような、小倉昌男氏の“戦略的”に優先順位を付ける発想は、
一つの参考になるのではないでしょうか。
また、Yahoo!ブックスで、
『やればわかるやればできる』発刊時のインタビューが載っています。ご参考にどうぞ。
Yahoo!ブックス 小倉昌男氏インタビュー