<< ユング『分析心理学』 | main | ゲーテ『ヘルマンとドロテーア』 >>

『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記 上』

■芸術家の名言・格言『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記 上』



画家の心は鏡に似ることを願わねばならぬ。



経験の弟子レオナルド・ダ・ヴィンチ。


知識が確実になるに従って愛も熱烈になる。


失われうるものを富と呼んではならない。
徳こそ本当のわれわれの財産で、
それを所有する人の本当の褒美なのである。


最高の幸福は不幸の総元締、智慧の完成は愚鈍のもと。


経験は決して誤らない。
ただ諸君の判断が、
われわれの経験の中に原因を有しないような結果を
自分勝手に解釈して、誤ったのである。


食欲なくして食べることが健康に害あるがごとく、
欲望を伴わぬ勉強は記憶をそこない、記憶したことを保存しない。


ほめれば間違いだし、そしればなおわるい。
君がそのことをよく理解していないときには。


十分に終わりのことを考えよ。
まず最初に終わりを考慮せよ。


“幸福”が来たら、ためらわず前髪をつかめ、うしろは禿げているからね。


必要であればあるほど拒まれるものがある。
それは忠告だ。
それを余計に必要とする人すなわち無智な人々からいやがられる。
こわがればこわがるほど、逃げれば逃げるほど、近くによってくるものがある。
それは貧窮だ。
逃げれば逃げるほど、君は悲惨になり安らぎをうしなう。


なべての闇を打ち消す太陽があらわれると、
君は君の必要と便利のために闇を追っ払ってくれた灯を消す。


はじめる人は必ずしも守る人ではない。


悪を罰しないものは悪をなせと命じているのだ。


自由のあるところに秩序はない。


贈物をする人は、じぶんのお仕着せを贈らないものだ。


恐怖は生命を保証する。


脅迫とはひとえに脅えた者の武器にすぎない。


快楽のうしろには面倒と悔恨をもたらすものがついている


孤独であることは救われることである。


あたかもよくすごした一日が安らかな眠りを与えるように、
よく用いられた一生は安らかな死を与える。


希望が死ぬと願掛けが生まれる。


素描というものは、ただ自然の作品のみならず、
自然のつくるものを超えて限りないものを追求するほど立派である。


“絵画”は無限の思索で飾られている。


画家は万能でなければ賞賛に値しない。
…画家の心は鏡に似ることを願わねばならぬ。
鏡はつねに自分が対象としてもつものの色に変わり、
自分の前におかれるものそのままの映像によって自己を満たすものである。


画家は“自然”を師としなければならぬ。


しばしば人物画は工人自らに似ている


人物を描くひとは、
もしかれが対象になり切ることができないなら、
これをつくりえないであろう。


影を避けるものは高貴な天才仲間における芸術の栄光をさけて、
無智な俗衆仲間で栄光をもとめるものだ。
俗衆は、平らなものを浮上させて見せる美と不思議さをすっかり忘れて、
色彩の美以上に何一つ望まないのである。


あらゆる色彩は影よりも光に当たる部分の方が美しい。





レオナルド・ダ・ヴィンチの手記 上】より

レオナルド・ダ・ヴィンチの手記 上   岩波文庫 青 550-1
レオナルド・ダ・ヴィンチの手記 上 岩波文庫 青 550-1
レオナルド ダ・ヴィンチ, 杉浦 明平




■補足
Leonardo da Vinci(1452-1519)
レオナルド・ダ・ヴィンチ。言わずと知れた万能の天才。

ルネサンス期の美術家達は大概の場合万能人でありましたが、
ダ・ヴィンチは突出していました。
画家であり、科学者、建築家、彫刻家…
さらには類まれな音楽的な才能も兼ねていたそうです。
それは、ミラノにスフォルツァ宮廷に招かれた一つの理由が、
リラの演奏家であり、即興歌手として評判であったというところから分かります。

このように様々な知識や技能を身に付けていたが、
その生涯を科学に費やしたといっても過言ではないほど、
さまざまな実験や観測を繰り返していました。
実際、人体の解剖のみならず、
天体の観測など様々な事物や状況を観察し、
それらをノートに記していました。
レオナルド・ダ・ヴィンチの手記 上はそのノートから抜粋したものです。

これらの森羅万象を解明しようとする努力は、
ダ・ヴィンチが画家として、対象をありのまま写す鏡を理想とし、
鏡の如くなることを目標としていたことに繋がっています。

ダ・ヴィンチは


画家は万能でなければ賞賛に値しない。
…画家の心は鏡に似ることを願わねばならぬ。

人物を描く人は、
もし彼が対象になり切ることがことができないなら、
これをつくりえないであろう

絵画の内容となるあらゆるものを
等しく愛さない人は万能とはいえないだろう



と自らの手記に記述しています。
これらの言葉から、森羅万象を観察し、鏡の如く写そうと努力していた、
“画家”ダ・ヴィンチの姿が見えてくるように思います。





>>ブログルポ



【サイト内関連記事】ダ・ヴィンチコード
【サイト内関連記事】レオナルド・ダ・ヴィンチの手記 下

【関連商品・画集】レオナルド・ダ・ヴィンチ―全絵画作品・素描集
【関連商品・画集】レオナルド・ダ・ヴィンチ素描集
【関連商品・DVD】ダ・ヴィンチ ミステリアスな生涯


名画ドットネット
ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」F15号【名画ドットネット】
レオナルド・ダ・ヴィンチ『最後の晩餐』






| 芸術の名言・格言 | 02:15 | comments(3) | trackbacks(2) | - | - |
Comment
TB有り難うございました。ダ・ヴィンチについては、いろんな意味で興味深いですね。時代を超越した存在だったのかもしれません。
2005/11/29 11:34 PM, from alice-room
TBありがとうございました。
レオナルド・ダ・ヴィンチは、知れば知るほど不思議な人ですね。この本もとても興味があります。教えてくださってありがとうございました。
2005/11/30 9:01 AM, from トパーズ
トラックバック、ありがとうございました。
私が読んだのは「ダヴィンチ・コード」なので、その中だけではレオナルド・ダヴィンチの人物像は殆ど分からないのですが、こちらのブログを拝見させて頂いて更に興味を持ちました。
モナリザが日本に来た時、見に行ったのですが、あの時もっとダヴィンチの事を知っていたら、見方も変わったかもしれません。
教えてくださってありがとうございました。
2005/11/30 12:43 PM, from らん









Trackback
url: http://wisewords.holly.holy.jp/trackback/70042
ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』
■小説の名言・格言『ダ・ヴィンチ・コード』 人生には秘密がいっぱいある。 何もかも一度に知ることはできないんだ。 混沌とした世界の底には秩序が隠れている。 人間は自然の法則に従って行動する存在にすぎず、 芸術とは神の生み出した美を人間が
2006/01/19 12:29 AM, from 本の中の名言・格言
西洋占星術 占いでみるレオナルド・ダ・ヴィンチさんの運勢
西洋 占星術 でみる世の中をひっくり返す力 仕事が趣味で趣味が仕事? 超人的な集中力
2006/05/26 12:47 PM, from ズイフー!!ブログ - 占い相談 教室 研究会 - スプリングポイント

03
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
--
>>
<<
--
Profile
New entries
Archives
Categories
Recent comment
Recent trackback
Recommend
Recommend
知っておきたい日本の名言・格言事典
知っておきたい日本の名言・格言事典 (JUGEMレビュー »)
大隅 和雄,季武 嘉也,義江 彰夫,神田 千里,山本 博文
Recommend
Mobile
qrcode
Links
Others
無料ブログ作成サービス JUGEM