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トールキン『妖精物語について』

■文学者・詩人の名言・格言 トールキン『妖精物語について』



「空想」のなかで、人間は実際に神の「創造」の葉をひろげ、
その豊かさを増すことを手伝うことができるのだ。



理解が鋭く、明快であればあるほど、よい空想が生まれる。


いずれにせよ、窓をきれいにすることが必要である。
そうすれば、ものがはっきりと見え、
陳腐さだの、慣れだののせいで
視野がうすぎたなくぼやけている状態から解放されるのだ。


山々が本当はどんな山であるのか、その山々の向こうには何があるのかは、
その山を登ったことのあるものでなければわかりはしない。


それでも木は「木」ではない、
そう名付けられ、眺められるまでは、
凝りかたまっていた人の息がほどけて言葉となるまでは
そのように名付けられてはいなかったのだ。


人間の心は嘘で出来てはいない
それどころか、その知恵をあの唯一の叡智の主から引き出すのだ
そして人はいまもその叡智の主の存在を懐かしんでいる
その恩寵から遠ざけられて久しいとはいえ
人間はまだ全く堕ちてしまったわけでもないし、
全く変わってしまってもいない


準創造者としての人間は、屈折した光であって
ただの白色も、その人間を通せば
多くの色となって散らばり、そして絶え間なく生きた形となり
その中で混ぜあわされて心から心へと移っていく


私はあなたがたの進歩的な猿と共に歩もうとは思わない
直立し、分別はあろうとも、彼らの前には暗い淵が口をあけているのだ






トールキン【妖精物語について―ファンタジーの世界】より

妖精物語について―ファンタジーの世界
妖精物語について―ファンタジーの世界
J.R.R. トールキン, John Ronald Reuel Tolkien, 猪熊 葉子




■補足
John Ronald Reuel Tolkien(1892-1973)
ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン は、
映画『ロード・オブ・ザ・リング』の原作である『指輪物語』で有名なイギリスの作家。

『妖精物語について』は、
妖精物語(フェアリーストーリー)についての歴史や、
トールキン自身の考えが綴られたエッセイです。
“死後の世界”と“魂の救済”を象徴的に描いた『ニグルの木の葉』と、
『不思議の国のアリス』の作者ルイス・キャロルに
贈られた詩である『神話の創造』が収録されています。
| エッセイ・随筆の名言・格言 | 20:35 | comments(1) | trackbacks(0) | - | - |
Comment
おぉ、なつかしい!ですね、この本は。
映画化のせいで、〈指輪〉ばかりがクローズ・アップされがちなトールキンですが。
著作の翻訳を読み漁った頃をなつかしく思い出しました。
さすがに、言語学の権威だけのことはある格調高さですね。
2006/01/11 10:38 PM, from Ti-ti-uu









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