パスカル『パンセ』

■数学者・哲学者の名言・格言 パスカル『パンセ』

 

 

 

 
世の中にはあらゆるよい格言がある。
人はそれらの適用にあたって、しくじるだけである。



われわれは事物を別の面から見るばかりではなく、別の目でもって見る。
だからそれらの事物が同じように見えるわけがない。


人間はひとくきの葦にすぎない。
自然のなかで最も弱いものである。だが、それは考える葦である。


空間によっては、宇宙は私をつつみ、一つの点のようにのみこむ。
考えることによって、私が宇宙をつつむ。


神があるということは不可解であり、神がないということも不可解である。


神があるというほうを表にとって、損得を計ってみよう。
次の二つの場合を見積もってみよう。
もし君が勝てば、君は全部もうける。もし君が負けても、何も損しない。
それだから、ためらわずに、神があると賭けたまえ。


人がその偉大さを示すのは、一つの極端にいることによってではなく、
両極端に同時に届き、その中間を満たすことによってである。


人間は天使でも獣でもない。そして、不幸なことには、
天使のまねをしようとおもうと、獣になってしまう。


謙虚さについて謙虚に話す人は少なく、
貞潔について貞潔に話す人はすくなく、
懐疑論について疑いながら話す人は少ない。





パスカル【パンセ】より

パンセ
パンセ
パスカル, 前田 陽一, 由木 康

 

 

 


■補足

 

 

 

 

 

 

 


Blaise Pascal(1623-1662)
ブレーズ・パスカルは、フランスの数学者、物理学者、哲学者。
“パスカルの定理”、“パスカルの原理”、
“パスカルの三角形”など多くの研究成果を残しています。

『パンセ』はパスカルの死後にまとめられた遺稿集。

 
人間は考える葦である。


もし君が勝てば、君は全部もうける。もし君が負けても、何も損しない。
それだから、ためらわずに、神があると賭けたまえ。


クレオパトラの鼻。
それがもっと短かったなら、大地の全表面は変わっていただろう。



これらの言葉は、数多くの書籍の中で引用されています。

思想としてはジャンセニスムの擁護者としての特徴がよく出ています。
(ジャンセニスムとは人間の本性を罪深いものとし、
人は神の恩寵によって救われるとするもの。
カルヴァンの予定説に近い思想です。)

 

 

 

 

コメント

のまちゃんこと野町です。
パスカルに関するトラックバックをありがとうございます。パスカルの言葉の中で、私が一番印象深いのは、メッセージにも引用してる「人間の心の中には神の形をした真空(God-shaped vacuum)がある。」です。
今後ともよろしくお願い致します。