ジョン・オニール著(神田 昌典 監訳、平野 誠一 訳) 『成功して不幸になる人びと』

■ビジネス・教養の名言・格言 『成功して不幸になる人びと』


成功とともに手に入る喜びや成功に左右されない喜びにも、
成功と同じくらいの価値がある。



長距離勝者(成功持続者)とは、
数字で成果を計る世界で効果的に働きながら、
その世界の物差しでは自分を評価しない人びとなのである。


個人にも組織にも、再生の必要性が大きくなるときがある。
自然界を見ればわかるように、生き物は、
最も原始的な微生物から人間にいたるまで、
定期的に再生しなければ生き残れない。


やっかいなことに、慢心というものは、
ごく初期の段階は非常に気分のよいものだ。


同じ世界を違う視点から見れば、
人が見ているものが見えるようになる。
世界に面した新しい窓が開かれ、選択の自由も広がる。


自分が置かれた状況を客観的に見られないときには、
おそらく、何かを捨ててみる必要があるだろう。
「何か」とは、これまで自分が歩いてきた出世街道かもしれないし、
もっと小さなものかもしれない。
あるいは、自分の仕事や自分自身に対する厳しい態度
(他の可能性を受け入れない態度)かもしれないし、
「そんなことはやらない」という信念かもしれない。





成功して不幸になる人びと】より

成功して不幸になる人びと ビジネスの成功が、なぜ人生の失敗をよぶのか
成功して不幸になる人びと ビジネスの成功が、なぜ人生の失敗をよぶのか
ジョン・オニール, 神田 昌典, 平野 誠一




■補足
「成功したら幸せになる」
「成功したら楽しい生活ができる」


このように考える人は多いかもしれません。

しかし、社会的な成功を収めながら、健康を害したり、家庭が破綻するなど、社会的に成功をしながらも不幸になってしまうケースは珍しくありません。

また、仕事に追われるビジネスマンの中に、家庭を顧みなくなり、家庭崩壊寸前になっているところも少なくありません。

例えば、本書の冒頭も紹介されていますが、20世紀最大の経営者と呼ばれるジャック・ウェルチなども、仕事中毒で家庭がうまくいかず、2度の離婚をしています。

どうやら、社会的成功=幸福と、単純には言えないところがあります。


このような成功に付随するマイナス面に対して、『成功して不幸になる人びと』では、ユング心理学のシャドウ理論に着目し、持続可能な成功をするためのリーダーがとるべき考え方について解説しています。

その成功持続者の秘訣としては、

・定期的に自己反省をすること
・慢心に陥らず学び続けること
・充電の時間をとること
…などなど。

特に“慢心”への戒めが中心的な内容になっています。

また、成功そのものの喜びだけでなく、結果的な成功に左右されない喜びを見出すことの価値について書かれています。

『成功して不幸になる人びと』は、本当の意味での成功とは何か、成功と幸福について深く考えることができる一冊です。



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二見 道夫 『「仕事力」の基本が身につく本』

■ビジネス・教養の名言・格言 『「仕事力」の基本が身につく本』



人間はローソクになるがいい。
自分が明るく燃えるからこそ周囲も明るくなる。
自分が燃えずして周囲の暗さに不平や不満をもってみても、
一歩たりとも自分の人生が明るい方向に近づくことはない。



同僚みんなから好かれようと思うより、同僚から一目置かれる人物になろうと考える人が、
人生の勝負では、勝ち組に残れる確率が圧倒的に高いものである。


織物は、縦糸と横糸のからみで過酷な使用にも耐える。
けやきの木も、入り組んだ木目だからこそ丈夫なのだ。
異見とは自分自身を鍛える師匠と考えたいものだ。


同じ「顧客第一主義」を唱えていても、大きく二つに分けることができる。
第一群は「顧客に信頼されている」人たち。
第二郡は「顧客にアゴで使われている」人たちだ。


いい質問をもっている人だけが、いい話を聞ける。


自分と上司の立場を客観的に入れ替えて考えてみると、
いま自分が使っている神経の何倍もの神経を、
上司は使っていることがわかるはずである。
その負担を軽減するように仕事をすることが、仕事力を磨くことになる。


ある特定の分野を専門的に勉強すると「専門バカ」に陥りやすい。
周囲の客観的情況が見えなくなるのである。
「本当に賢い人」というのは、たとえ自分の専門分野でも、
頭と腰を低くして他人の意見に耳を傾けられるものなのである。





「仕事力」の基本が身につく本】より

「仕事力」の基本が身につく本―段取り術から自己サバイバル戦略まで
「仕事力」の基本が身につく本―段取り術から自己サバイバル戦略まで
二見 道夫




■補足
二見 道夫氏は経営コンサルタント。著書多数。

『「仕事力」の基本が身につく本』は、ビジネスにおいて基本となる考え方や知識について書かれている一冊。

本書では、まず社会の厳しい面を指摘しています。本書の第一章のはじめのあたりに、以下のように書かれています。


組織というのは、「二見がいなければ鈴木がとって替わる」という部品交換式でやっていけるからこそ組織なのだ。サラリーマンは部品なのだ。これが現実なのである。


ストレートな言葉ですが、確かに現実として、“ついてこれない人は置いていくしかない”というような面が社会にあるかもしれません。企業の側の努力問題もあるかとは思いますが、本書では基本的に、仕事に対して、会社に期待するのではなく、自分自身で仕事観を持ち、仕事力を身につけなくてはいけないと指摘しています。

そして、幅広く仕事観・仕事力を身につけるための基本的な考え方について書かれています。

『「仕事力」の基本が身につく本』は、仕事を始めてしばらくの人、若手〜中堅のビジネスマンあたりが対象。様々な場面で応用できる仕事力を身に付けたい人にオススメの一冊です。


○他の二見 道夫氏の著書
強運の条件―成功のチャンスに毎日あう55の方法 セールスの極意―必ず売れる105の方策 気のきいた仕事ができる人になれ!―決定版 38のヒント


| ビジネス・教養の名言・格言 | 02:36 | comments(1) | trackbacks(1) | - | - |

鈴木敏文『商売の創造』

■経営者の名言・格言 鈴木敏文『商売の創造』


われわれにとっての最大の競争相手は、
同業の他社・他店ではありません。
世の中の変化、お客様のニーズの変化こそが最大の競争相手なのです。


情報というのは必ず外部にあるものです。
自分にとって役立つ情報は、
自分から出かけていかなければ得られるものではありません。


お客様を追い越してもいけない。お客様から遅れてもだめ。
いつもお客様の変化、世の中の変化とともに、
私たちは自分の仕事を変化させていくことが大切なのです。


自分がいままで考えてきたこと、あるいは習慣化したことに対し、
まったく逆の発想で考えてみる、あるいは人とは反対の意見を唱えてみると、
そこから新しいアイディアが生まれてくることがあります。


本当は、リスクを小さくするためにこそ、積極的な商売を心がけなければならないのです。
積極的な商売によって機会損失をなくしていけば、
必ず売り上げを伸ばし、利益を上げることができるのです。


店にきてくれない人の情報、
つまり、店の中では見ることができない情報を集めることのほうが、ずっと重要なのです。
私たちの店の外にある、見えていないお客様の情報をとり、
それを店内に生かすこと、それが情報を生かすということなのです。





鈴木 敏文【商売の創造】より

商売の創造
商売の創造
鈴木 敏文




■補足
鈴木敏文氏は、持株会社セブン&アイ HLDGS.の代表取締役会長、最高経営責任者(CEO)。(2006.6.1現在)

周囲の猛反対を押し切って、日本に初めてコンビニエンスストア・チェーンを導入。セブン・イレブンを日本一の小売業に育て上げました。


『商売の創造』は、セブン・イレブン・ジャパンで行われていた会議で鈴木敏文氏が社員たちに話した内容をまとめたもの。徹底した顧客主義で、“お客様”はなにを望んでいるのかという視点が常に入っている一冊です。

また、“お客様のため”というとお題目になりがちかもしれませんが、つねに“お客様の視点で”考えているところが鈴木敏文氏の特徴です。

例えば、第一章に「価格訴求」ではなく「価値訴求」をという言葉がありますが、“安くするだけでは物は売れない。(価格訴求)お客様がほしいと思うようなものがつねにあるような品ぞろえを追究する(価値訴求)”という様な内容で、お客様の視点からみた“顧客主義”になっています。

また、自分を否定するということについて書かれていますが、それは、“お客様の変化に合わせて自分も変化しなければいけない、”
という意味での“自分の否定”ということで、その背後にも顧客主義があります。

また、常識を打ち破るというところにも、やはり顧客主義が現われています。常識を打ち破るには、“固定観念や既成概念を、お客様の立場に立ったものに作り変えていく。そのためにも、他人の後追いではなく独自の考え方と方法で、常に新しいことに挑戦をしていかなければならない”という意味のことを語っており、ここにもまた“お客様の視点”が入っています。

このように顧客主義に徹底している鈴木敏文氏ですが、顧客主義に対する鈴木敏文氏の考え方が現われている、次のような言葉があります。

顧客第一主義とか顧客志向を言い換えるとどうなるのか。
何ごとも“顧客のために”と考えることと思いがちだが、
そのときはたいてい、顧客とはこういうものだと決めつけをしている。
本当に必要なのは、常に“顧客の立場で”考えることです。
『セブン‐イレブンの「16歳からの経営学」』より



このような鈴木敏文氏の“顧客主義”は、小売業でなくても参考になるところが多々あるのではないかと思います。

また、“顧客のために”ではなく“顧客の立場で”という考え方は、“相手のために”ではなく“相手の立場で”考える、と言い換えれば、人間関係にも応用可能な考え方だと思います。小売業に携わる人にはもちろんですが、それ以外の人にもオススメの一冊です。


○ちなみに、『商売の創造』『商売の原点』とセットになった愛蔵版もあります。興味のある方はどうぞ。

商売の原点・商売の創造【愛蔵版函入り2冊セット】
| ビジネス・教養の名言・格言 | 03:28 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

小倉 昌男 『やればわかるやればできる』

■経営者の名言・格言 小倉 昌男『やればわかるやればできる』



物事を見るのは人によってそんなに違いはない。
問題は見てからそれをどう感じるか、どう行動するかの違いである。
心の動き、それが気働きにつながるのである。



お客さまだから親切に、身内だから不親切ではいけない。
まして社内、特に上役だから親切に、部外者だから不親切など、とんでもない話。
サービス業に携わる者は、いつでも、誰にでも親切心がなければ失格だと思う。


ふつう、弱い部門にはあまり力を入れず、
強い、自身のある部門を強調して、発展していくのが経営の定石である。
しかし、その逆を行く道もある。
見方を変え、やり方を変えれば、弱点は最大の長所になり得るからである。


われわれはとかく、晴れた日は良い日で、雨や雪は悪い日だ、と考えがちである。
だが、晴れも雨も雪も必ずある以上、すべてを良い日にするよう、
日頃から対応を考えて行動する必要がある。
もし、それができていれば、ほかの人が雨や雪を悪い日だと考えているだけに、
商売のうえで、大きなメリットが得られるはずである。


しかし優しい人には二種類ある。
性格が穏やかで言葉づかいも静かな人。
それも良い人だが、それだけでは物足りない。
心に思いやりがあり、常に相手のことを気づかって行動する人、
それこそ本当の優しい人だと思う。


私は、経営は論理だと思っている。だから、考える必要がある。
考えて、考えて、考え抜く。でも、わからないことがある。
その場合はやってみることである。
やってみればわかる。やらなければわからない。
これは私の信条である。





小倉 昌男【やればわかるやればできる】より

やればわかるやればできる―クロネコ宅急便が成功したわけ
やればわかるやればできる―クロネコ宅急便が成功したわけ
小倉 昌男




■補足
おぐら まさお(1924-2005)
小倉昌男氏はヤマト運輸元会長。
ヤマト運輸『宅急便』サービスの生みの親です。

『やればわかるやればできる』は、
ヤマト運輸の中の社内報「ヤマトニュース」に連載されていた、
小倉昌男氏のコラムの一部をまとめたもの。
小倉氏の洗練された思考と、温かみのある人格が伝わってくる一冊です。


小倉昌男氏は、“経営は論理である”と語っていますが、
その考えに考え抜かれて得られた知恵は、とても参考になるところがあります。

例えば以下の言葉など、
精神論的な考え方に偏りがちな人には、
思いつきにくい発想かもしれません。


当社では、「安全第一、営業第二」ということをモットーにしている。
これは、安全も営業も能率もすべてを第一にしたいのが人情であるけれど、
すべてが第一であるということは、結局、本当の第一がないということになる。



「安全と能率どっちが大事ですか?」
と聞かれると、
「どれも大事だ!」
と答えてしまうかもしれません。
二つや三つのバランスをとるという考え方もあるとは思いますが、
「安全も能率も営業もどれもしっかりやれ」と言っていても、
結局どれも中途半端になってしまうことがあります。

このように、一方を立てると一方が難しくなるという、
相反する問題、矛盾する問題がよくありますが、
小倉昌男氏は、そういった問題には必ず優先順位を付けていたようです。

第一に優先するもの、第二に優先するものを社員に示すことで、
まず第一のものをしっかりさせ、段階的に矛盾の解決を図るという発想です。

優先順位を決め、それを示したなら、
第一のものからしっかりやろうとします。
そして、第一のものがしっかりできるようになると、
第二のものにも余裕を持って取り組むことができるようになるということです。


ちなみに、
利益の確保と、サービスといった問題に対しても、
小倉昌男氏は、“サービスが先、利益は後”という標語を立て、
社員に優先順位を示しています。
サービスを充実させれば、必ず利益が後についてくると考え、
実際、思惑通りの結果になったようです。

二つの相反する価値観が出てきたとき、
バランスをとる、どちらかを選ぶという考え方があると思いますが、
このような、小倉昌男氏の“戦略的”に優先順位を付ける発想は、
一つの参考になるのではないでしょうか。


また、Yahoo!ブックスで、
『やればわかるやればできる』発刊時のインタビューが載っています。ご参考にどうぞ。

Yahoo!ブックス 小倉昌男氏インタビュー

| ビジネス・教養の名言・格言 | 01:46 | comments(0) | trackbacks(1) | - | - |

若松 義人 『トヨタ流「改善力」の鍛え方』

■ビジネス・教養の名言・格言 『トヨタ流「改善力」の鍛え方』


改善のコツは、現状に満足せず、未来への欲をもちつづけることだ。
ときには成果が下がるように見えることもある。
上がったり下がったりを繰り返しながらも改善をつづける。
そうすることで、ある日、思いもかけない地点に到達する。
成長とは、そういうものだ。



改善をつづけるうえで大切なのは、
「アイデアは思いついたらすぐ実験しなさい、トライしなさい」だ。
「明日やろう」という改善の先延ばしは、ムダの放置につながる。
すぐに実行に移すからこそ、改善のスピードも加速する。


悲観的に見て楽観的に行動する。
事前の十分な検討と、計画のズレを微調整する力。
この二つがあれば、ものごとはうまくいく。


なにかを変えようとするとき、実際に影響を受けるお客様や現場の声に耳を傾ける。
どんな影響があるのか、本当にためになるのかを考える。
よけいな負荷をかけるだけのものは支持されない。
改善は誰かのためになってこそ意味がある。


「規則だから」とお客様の不便に目をつむる。
「前例がないから」と社員の不便や働きにくさに目をつむる。
どちらもせっかくの改善の芽を摘んでいることになる。
「慣れてください」「我慢してください」では解決にならない。
不便を便利に変えてこそ改善になり、仕事と呼べる。


ものごとは規則やルールだけでは動かない。
働いている人の気持ちや環境を第一に考える。
景観が変わると、人の気持ちも自然と変わってくる。
人の気持ちが変わると、知恵も出るようになる。





若松 義人【トヨタ流「改善力」の鍛え方】より

トヨタ流「改善力」の鍛え方―強者のノウハウはあらゆる場で必ず強い!
トヨタ流「改善力」の鍛え方―強者のノウハウはあらゆる場で必ず強い!
若松 義人




■補足
『トヨタ流「改善力」の鍛え方』は、
トヨタの事例を紹介しながら、
“カイゼン”の秘訣、トヨタ流の考え方について解説している一冊です。

ちなみに、
米国が日本式経営手法を導入する際にそのまま
“改善”などの言葉が普及したため、
“改善”は世界にも、
“kaizen”としてそのまま通用する言葉です。

日本の言葉で、世界に通用するものといえば、
「スシ・テンプラ・スモウ」あたりが浮かぶかもしれませんが、
ビジネス用語としては、「ケイレツ(系列)・カイゼン(改善)」
などが有名です。


日本語版のウィキペディアの“改善”にも詳しく書いてありますので、ご参考まで。

『トヨタ流「改善力」の鍛え方』は、“カイゼン”の秘訣・考え方を知りたい人にオススメの一冊です。




| ビジネス・教養の名言・格言 | 00:19 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |

大久保 幸夫 『上司に「仕事させる」技術』

■ビジネス・教養の名言・格言 『上司に「仕事させる」技術』



あなたが本当にやりたいこと、こうしたほうが良い、
と思うことなどを実現するためには、上司を動かす必要があるのです。
そして、上司を動かすためには、
部下であるあなた自身の戦略が必要なのです。



上司との関係は、「仕事の本質」であり、
「あの上司はいつもうるさいことを言うから、避けていよう」
などという考えでいたら、いつまでたっても仕事のできる人にはなれません。


「上司とは仕事そのものである」と言っても過言ではありません。
だからこそ「人として好きか嫌いか」という感情論は、
ひとまず脇に置いて、上司との「良好な関係」を築くことを心掛けましょう。


上司との良好な関係を築くための第一歩は何だと思いますか。
その上司に対して、「興味をもつ」ことです。


あなた自身が上司と良好な関係を築くことができて、
初めて自分の部下に、リーダーシップを発揮できるのです。





上司に「仕事させる」技術―そうか!ボス・マネジメント!】より

上司に「仕事させる」技術―そうか!ボス・マネジメント!
上司に「仕事させる」技術―そうか!ボス・マネジメント!
大久保 幸夫



■補足
『上司に「仕事させる」技術―そうか!ボス・マネジメント!』では、
部下が上司を戦略的に動かして、
自分の仕事やチームの仕事の成果を最大化を図るという、
“ボス・マネジメント”と呼ばれる考え方を紹介しています。

“ボス・マネジメント”は、アメリカでは一般的な考え方だそうですが、
日本で“ボス・マネジメント”についてのまとまった類書はあまりなく、
めずらしい一冊です。


ちなみに、本書によると、
日本は、“極めて上司を嫌う国”だそうです。
アメリカ・フランス・中国・日本の四カ国の、
上司との関係の調査では、
次のような結果が出ているようです。


「今の職場の上司・リーダーは人間的に信頼できる」……四か国中、最低
「今の職場の上司・リーダーは仕事ができる」……四か国中、最低
「今の職場の上司とは仕事上の対話を必要十分行っている」……四か国中、最低



どうやら日本では、
上司に対する不満が満ち溢れているようです。
他国に比べてなぜ不満が強いか、ということですが、

「今の職場の上司とは仕事上の対話を必要十分行っている」……四か国中、最低

とあるように、どうも、対話を十分に行っていないことに原因がありそうです。

“働かされている、使われる側”という意識が強く、
部下が“ボス・マネジメント”を実践していないところに大きな問題があるのかも知れません。


『上司に「仕事させる」技術―そうか!ボス・マネジメント!』では、
MBAで教えられているような“ボス・マネジメント”を、
若干日本の企業風土に合うようにアレンジして解説しています。


上司にイライラしがちな人や、
部下には人望はあるが、上司とはうまくいっていない人など、
“ボス・マネジメント”について興味のある人に、オススメの一冊です。


| ビジネス・教養の名言・格言 | 01:21 | comments(0) | trackbacks(1) | - | - |

遠藤 功 『見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み』

■ビジネス・教養の名言・格言 『見える化』



企業経営はシンプルだ。
見えていない現場は壊れる。見えている現場は創れる。
「見える」こと――それは企業活動の根源的な競争力であり、
生命線なのである。



「見える化」の基本は、相手の意思にかかわらず、
さまざまな事実や問題が「目に飛び込んでくる」状態をつくり出すことである。


多くの企業で見られるのは、問題や異常が発見されていないことではない。
多くの場合、問題や異常は誰かの目には認知されている。
重要なのは、そうした問題や異常を「Display」することの大切さ、
すなわち「見せる化」を全員が理解し、
「Display」させる仕組みを埋め込むことなのである。


「小さな異常」に気がついて対処することが
「大きな異常」を発生させない唯一の方策である。


本来企業に求められているのは、「結果としての異常」を是正することではなく、
「プロセスにおける異常」を早期に発見し、対処することであるはずだ。


成功は「見える化」しやすいが、失敗を「見える化」するには相応の覚悟と勇気がいる。
しかし、だからこそ、そこから得るものは大きい。


「見える化」という「組織の透明性」は、失敗に対する寛容性からもたらされる。
そして、その根っこにあるのは、人に対する「信頼」である。
人への「信頼」が根底にあるからこそ、「見える化」は成立することを忘れてはならない。





遠藤 功【見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み】より

見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み
見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み
遠藤 功




■補足
「人間は見えるものしか見ない、見たいものしか見ない」
とはよく言われますが、
「見える化」とは、そういった“見えない”もの、
“見えにくくなっている”ものを、
“見える”ようにする企業の様々な取り組みのこと。

『見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み』では、
「見える化」とは何かという“見える化の本質”を定義し、
「問題の見える化」
「状況の見える化」
「顧客の見える化」
「知恵の見える化」
「経営の見える化」

というカテゴリーに分け、
体系的に整理して解説しています。

また、様々な企業での“見える化”の事例を引き出しながら、
“見える化”に取り組む際の留意点やポイントなどが紹介されています。




○「見える化」は「失敗に対する寛容性」がもたらす

本書のポイントは数多くあるかと思いますが、
「見える化」を導入する際に特に重要なポイントは、
「見える化」は「失敗に対する寛容性」がもたらす
というところではないかと思います。

本書で、「失敗に対する寛容性」について触れられた言葉がありますので、
以下に引用します。


「見える化」という「組織の透明性」は、失敗に対する寛容性からもたらされる。
そして、その根っこにあるのは、人に対する「信頼」である。
人への「信頼」が根底にあるからこそ、「見える化」は成立することを忘れてはならない。



失敗に対する寛容性のないところで「見える化」だけを推進すると、
責任を追及するギスギスした雰囲気になり、
失敗を起こした当本人が責任追及を恐れ、
失敗を自分で解決しようとして、
逆に深刻な失敗に発展するという可能性があるかもしれません。

ミスをしないよう指導する必要はあると思いますが、
ミスを隠す、
あるいは、ミスを密かに自分だけで解決しようとする行為には気をつける必要があります。
そのためにも、
過度な責任追及を行うのではなく、
ミスが起きた時点で、
情報が即時に伝わる体制を作っていくことが大切だと思われます。


重要なのは、「見える化」と人の評価を直結させてはいけないということである。



■「見る」ということに関する、様々な書籍からの言葉・名言の紹介

また、「見える化」の参考になるかどうか分かりませんが、最後に“見る”ということについての言葉・名言をまとめて紹介したいと思います。


自分のところに人が来るのを待っていては、小さな問題しか目に入らない。
自分が出かけていって、見つけるべきだ。
そもそも大きな問題というのは、
問題を抱えているのを自覚していない人たちのところにあるものだ。
W・エドワーズ・デミング『なぜか、「仕事がうまくいく人」の習慣』より


見るとは、細部を経めぐり、一つ一つにすこしずつ立ち止まり、
そして、ふたたび、全体を一目で把握することである。
アラン『幸福論』より


自分のことを考えるな。遠くを見よ。
アラン『幸福論』より


天才とは、その人だけに見える新事実を、見ることのできる人ではない。
誰もが見ていながらも重要性に気がつかなかった旧事実に、気づく人のことである。
塩野七生『ローマ人の物語 ハンニバル戦記』より


“ものを見る”ということは、ものそのもの自身を見ることのみならず、
そのものを通して、ものに投影された自分自身の“ものの見方”を知ることでもあります。
中川佳子『情報を見せる技術』より


いずれにせよ、窓をきれいにすることが必要である。
そうすれば、ものがはっきりと見え、陳腐さだの、
慣れだののせいで視野がうすぎたなくぼやけている状態から解放されるのだ。
J.R.R. トールキン『妖精物語について―ファンタジーの世界』


しかし、「しっかり見ろ」と言った時に、ボールの一点に集中したのか、
少し広げて周辺まで見たのか、ボールの上端を見たのか下端を見たのか。
右を見たのか左を見たのか。
いろいろ見方があるじゃないですか。それを伝えられるかどうかですね。
by田村知則 
小川 勝著『イチローは「天才」ではない』より



われわれは事物を別の面から見るばかりではなく、別の目でもって見る。
だからそれらの事物が同じように見えるわけがない。
パスカル『パンセ』より


人はふつう、自分自身で見つけた理由によるほうが、
他人の精神のなかで生まれた理由によるよりも、いっそうよく納得するものである。
パスカル『パンセ』より


芸術とは目に見えるものを写すことではない。
見えないものを見えるようにすることなのだ。
byクレー


ひとつ確かにいえることは、目に見えない世界に何をまこうと、
目に見える世界でそれを刈り取らなければならないということだ。
オリソン・S・マーデン『富をもたらす習慣 失う習慣』より






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ブライアン・トレーシー 『ゴール―最速で成果が上がる21ステップ』

■ビジネス・教養の名言・格言 『ゴール―最速で成果が上がる21ステップ』


より遠い未来について考えれば考えるほど、
それを実現するためのよりよい決断を、今、下すことができるのです。


リーダーになる人というのは、人並みの、
あるいはそれ以下の能力やチャンスを活かして、
偉大なことを成し遂げていくのです。


ありがたいことに、考え方というのはどれも生まれたあとから身についたものです。
ですから、役に立たない考え方は捨てることも可能なのです。


彼らが成功したのは、計画どおりに実行したからではなく、
計画を立てる過程でビジネス上の鍵となる要素について考えたからなのです。


心理学者たちの間では、「コントロールの実感」こそが幸福、自信、パワー、
充足といった感情の鍵であるという見解で一致しています。
そして「コントロールの実感」は、
時間管理を見事にこなして初めて得られるものなのです。


一番目に何をするか、二番目に何をするかを正しく決めることは、
同時に何をしないかを正しく決めることであり、
その能力こそが人の人生を決めるのです。


正しく導かれ、統率されないプラス思考は、
あっという間に「ポジティブ願望」や「ポジティブ希望」に成り下がってしまいます。
本来、プラス思考はより高い目標達成のための
意欲を燃やすエネルギーとなるはずのものです。


勇気を育み、恐怖心を消すプロセスは、
勇気と自信のある行動をとることから始まります。





ゴール―最速で成果が上がる21ステップ】より

ゴール―最速で成果が上がる21ステップ
ゴール―最速で成果が上がる21ステップ
ブライアン トレーシー, Brian Tracy, 早野 依子



■補足
『ゴール―最速で成果が上がる21ステップ』は、
実用的でより確実な目標設定と、その達成方法について語られた一冊。

目標を立てる前段階の考え方から、目標の具体的な立て方、
そして目標を達成する上での計画的行動のススメなどが丁寧に解説されています。


例えば、本書の方法で、ダイエットの目標設定を説明しますと、
「体重を〜kg以下にする」が、ダイエットでの正しい目標設定になります。

「やせたい・やせる!」ではただの“願望”であって“目標”になりません。

具体的でない目標では、具体的な計画を立てることができません。
著者は、数字で出した計測可能な目標のみが、
正しい目標設定の仕方であると主張しています。

以下、本書よりの引用です。

目標というのは、単なる願望とは一線を画すものです。
それは明確で、具体的で、文章にされたものです。
他人に説明しようと思えばすぐにでき、
達成すればそうとわかる、計測可能なものです。



本書の言うところの、具体的で、数量的な目標を立てることは、
努力が無駄にならないためにも非常に重要なことかもしれません。


『ゴール―最速で成果が上がる21ステップ』は、
人生・ビジネスに役立つ具体的な目標・計画の立て方を知り、
効果的な努力をしていきたい人にオススメの一冊です。

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内田 和成 『仮説思考』

■ビジネス・教養の名言・格言 『仮説思考』


意思決定をするときには、
いますでにある選択肢を狭めてくれる情報だけが役立つのだ。



仮説を使うということは、問題を考えついたり、
答えを探しだしたりするプロセスというよりむしろ、
効率的に不要な問題や役に立たない解決策を消去するプロセスなのである。


分析にはいろいろな目的があるが、いずれの場合においても最も大切なのは、
仮説を検証するために分析を行うということだ。
闇雲に分析してから問題を整理するのではなく、まず問題意識をもって仮説をつくり、
それが正しいかどうかを検証することが、分析を行なう正しい態度である。


少ない情報で、情報をたくさん集めた人と同じ質の推論なり
課題発見なりができる人が、結局は勝つ。
なぜならば、他人が情報を集めている段階で、
より深堀りした課題に進める、あるいは課題の解決策構築にとりかかれるからである。


先見力というと、特定の人だけが先天的に身につけている能力のように思われがちだが、
実は仮説と検証を繰り返すことによって身につけていくものなのだ。





仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法】より

仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法
仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法
内田 和成




■補足
『仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法』は、プロのコンサルタントが実践する“仮説思考”について書かれた一冊。

“仮説思考”あるいは“仮説と検証”という言葉は最近よく聞くようになりましたが、耳慣れない人もいるかもしれません。

本書では、仮説、及び仮説思考は以下のように定義されています。


仮説とは、情報収集の途中や分析作業以前にもつ「仮の答え」のことである。

仮説思考とは、情報が少ない段階から、常に問題の全体像や結論を考える思考スタイル、あるいは習慣というべきものである。



仮定思考を実践すると、闇雲に思考や情報収集を重ねていくより、時間や資源を節約することが可能になります。

また、仮定の精度が高くなることによって、より仕事のスピードが早くなっていくというものです。

どんな人でも仮説と検証のプロセスは使っていると思いますが、たいていの場合は経験から得られた“独自のカン”であったり、たまに行うものであって、あまり徹底したものではないかもしれません。

『仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法』は、
プロのコンサルタントが実践で鍛え上げた、“仮定思考”を学ぶことができる一冊ですので、より精度の高い仮説設定力と、より確実な仮説検証力を身に付けるヒントになると思います。

仮定思考とは何か、また、仮定の精度を高めていくための思考法、仮定検証のテクニック、仮説思考力のトレーニング法が詳しく解説された一冊です。





| ビジネス・教養の名言・格言 | 02:32 | comments(1) | trackbacks(3) | - | - |

畑村 洋太郎 『「失敗学」事件簿 あの失敗から何を学ぶか』

■失敗学の名言・格言 『「失敗学」事件簿 あの失敗から何を学ぶか』



「逆演算思考」を始めることである。
うまくゆく方法を精緻に作り上げる“順方向”の考えでは、
必ず“抜け”が出る。
失敗を防ぐためには、まず具体的な失敗を仮定し、
それに至る道筋を逆にたどる“逆方向”の考えをする以外に方法はない。



水に流してはいけない。
こと事故においては、失敗の記憶を保存しないと次の事故を防げないからだ。


失敗という授業料を払ったのだから、学べる限りを学び取ることが大事だ。
だれがいけない、あのやり方がおかしいというより、
今の我々の実力はこの程度だと素直に認め、
皆が気づかずにいる雰囲気に気付いてそれを打ち破り、
新しい段階に進もうではないか。


小さな失敗を大きな失敗につなげないためには、
責任追及だけでなく、失敗がなぜ起きたのかという原因究明と再発防止策をたてることだ。
そのためにも隠れたがる失敗情報を組織内で
伝わる仕組みをトップダウンで作るべきである。


当事者は類似事例が目前に起こっても
“これは分野が違う”“あれは背景が違う”と学ぶチャンスを捨て、
結局、何も学んでいないことが多い。小異に気が回り、大同が見えないのだ。


事故は事故を起こした企業の責任であるが、
いったん起こってしまった事故は、もはや社会全体の「共有財産」なのである。





「失敗学」事件簿 あの失敗から何を学ぶか】より

「失敗学」事件簿 あの失敗から何を学ぶか
「失敗学」事件簿 あの失敗から何を学ぶか
畑村 洋太郎



■補足
畑村洋太郎氏は、“失敗学”の提案者。
工学院大学国際基礎工学科教授。東京大学名誉教授。
“失敗学”とは、様々な形の“失敗”の要因・対策を考え、知識化することで、
次の失敗を防ぐのみならず、創造的な活動に生かそうというもの。

『「失敗学」事件簿 あの失敗から何を学ぶか』では、
尼崎JR脱線事故など、古今の“列車脱線事故”
“みずほ証券の誤発注事件”
“東京電力原発事故”
“三菱自動車の連続不祥事”
“H-・Aロケット打ち上げ失敗”
“六本木ヒルズ回転ドア事故”
“雪印牛肉偽装事件”など
様々な事故・事件の“失敗”事例から、
要因とその対応策を紹介しています。

たいていの場合、大きな事故・事件が起こると、
組織的な怠慢が大きな原因として、トップの責任追及に終始しがちです。

しかし、著者の畑村氏は、
責任追及のみでは失敗の本質をつかめないと言い、
責任追究と原因究明を分けて説明しています。

失敗を責任追及で終わらせず、要因を様々な角度から分析し、
他者に伝達できるものにするための“失敗の知識化”を行うことを提唱しています。

ちなみに、
“失敗学”は過去から学ぶものだけと思ってしまうかもしれませんが、
失敗を“逆演算思考”によって想定し、
創造的活動に生かそうという未来志向の側面もあります。

本書の最後には、著者の畑村洋太郎氏と、
セブンイレブンの創始者である鈴木敏文氏との対談が載っていますが、
“仮説と検証を繰り返せ”と唱える鈴木氏の未来志向性は、
著者との共通性を感じることができるように思います。



| ビジネス・教養の名言・格言 | 00:34 | comments(0) | trackbacks(1) | - | - |

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